働く女性の状況「ほとんど改善なし」 国際労働機関

タイのレストラン調理場で働く女性。

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ILOによると、女性の方が1日の労働時間が長い。写真はタイのレストラン調理場で働く女性。

国際労働機関(ILO)は7日、女性の働く状況は過去20年間でわずかしか改善していないと指摘する報告を発表した。8日の国際女性デーに合わせた発表で、ガイ・ライダーILO事務局長は「女性がやりがいのある仕事を見つけて働き続けるには、いまだにとてつもない困難が伴う」と述べた。

178カ国を対象にした調査報告によると、2015年の時点で女性の就職率は男性よりも25.5%低く、1995年比で0.6ポイントしか改善されていなかった。さらに、女性が仕事を得やすくなった国々でも、その仕事内容の質が「依然として懸念される」という。

世界全体の女性の失業率は6.2%で、男性の5.5%より高く、女性の方が質の低い仕事に甘んじている場合が多いという。

「働く女性が良い仕事に就こうと思うと、相当の困難に直面し続ける」とILOは指摘している。

報告書によると、平均所得の高い国でも低い国でも、無報酬の家族の世話や家事の分担はいまだに不均等だが、これは以前より改善された。

一方で、報酬のある仕事を無報酬の仕事と足し合わせると、今でも女性の方が男性より長時間働いているという。

報告書の執筆陣は、「問題克服のペースは遅く、改善は世界の一部地域に限定されている」と指摘する。

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ILO調査によると、若い女性の方が失業率が高い。写真はフランス北部リールの職業安定所で。

国際女性デーに向けて、性差別に関する様々な報告が発表されている。

米国の会計監査事務所グラント・ソーントンの調査によると、幹部職に就いている女性の割合は過去5年間で3ポイント上昇し24%になった。女性の企業幹部の割合が最も高いのは今回もロシアで、フィリピン、リトアニアと続くという。

最下位は日本で、女性の幹部職の割合は7%にとどまった。