中国、「国際海事司法センター」を設置へ

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ベトナム沖210キロの海域を航行する中国の沿岸警備隊の船舶(14年5月)
中国の最高人民法院(最高裁)は13日、領有権問題を扱う独自の「国際海事司法センター」を設置すると発表した。
現在開催中の全国人民代表大会(全人代)で活動報告を行った最高人民法院の周強院長は、「中国の国家主権、海洋権益やそのほかの核心利益を断固として守らなくてはならない」と述べた。
周院長は、新組織の詳細や果たす機能について触れなかったが、中国が「海洋大国」になることに貢献すると述べた。
中国は資源が豊富な南シナ海で、近隣国と領有権をめぐって対立しており、中国が進める人工島の建設で緊張がさらに高まっている。日本とも尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領有権を争っている。
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中国の人口島建設に抗議するフィリピンの学生たち(今月3日、マニラ)
中国は南シナ海、東シナ海で広範囲に領有権を主張しているが、フィリピンやベトナム、ブルネイ、マレーシア、台湾、日本の各国の領有権の主張と重なっている。
フィリピンは中国との領有権紛争で、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所に提訴。中国が「九段線」に基づいて主張する領有権は、両国とも署名した国連海洋法条約の下では無効だとしている。
一方で中国は常設仲裁裁判所に管轄権がないと主張し、訴訟に参加していない。
中国が主張する「九段線」(赤線)と各国のEEZ線(青線)