ムシャラフ元大統領 パキスタンから出国

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ムシャラフ氏は自身にかけられた容疑をすべて否定している(写真は2014年12月)
パキスタンのムシャラフ元大統領(70)は18日、同国から出国した。裁判中のムシャラフ氏の出国を最高裁判所が許可したことを受けた。ムシャラフ氏の弁護団によると、同氏はパキスタンでは受けられない脊髄治療をドバイで受ける予定。
2013年まで事実上の亡命生活をしていたムシャラフ氏は、総選挙を機に政界復帰を目指し帰国したが、政権時のさまざまな容疑で起訴されていた。
地元メディアが伝えたところによると、ムシャラフ氏は出国前に記者団に対して、裁判を受けるため再度帰国する考えを示し、「私は戦士であり、母国を愛している。数週間もしくは数カ月で戻る」と述べた。
ムシャラフ氏に対する起訴は、2007年の戒厳令と、同年のブット元首相暗殺に関連したもの。ムシャラフ氏は容疑を否認し、政治的意図が背景にあるとしている。
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カラチのムシャラフ氏の自宅を出る民兵(18日)
ムシャラフ氏は軍のトップだった1999年にクーデターで政権を掌握し、2008年まで大統領を務めた。同年には、民主的選挙で選ばれた大統領が就任した。
ムシャラフ氏は大統領退任後間もなく国外に亡命し、ドバイとロンドンに滞在していた。2013年には総選挙で自ら率いる党の政権奪取を目指したが、立候補は認められなかった。
ムシャラフ氏は、ブット元首相の暗殺を阻止しなかったとして殺人罪に問われているほか、同じ年に戒厳令を敷き、判事を解任したことや、イスラム過激派がイスラマバードの「赤いモスク」に立てこもった際の聖職者殺害への関与が容疑として挙げられている。
今年1月には、バローチ人反体制派指導者アクバル・バグティ氏の2006年殺害容疑で無罪が決まった。一連の訴追で初めての無罪判決だった。