スー・チー氏、外相など4閣僚ポスト兼務へ ミャンマー

ミャンマー国会内でティン・チョー氏とアウン・サン・スー・チー氏(15日)

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ミャンマー国会内でティン・チョー氏とアウン・サン・スー・チー氏(15日)

ミャンマー与党・国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チー氏が、新政権で外相など4つの閣僚ポストを兼務する見通しになった。ティン・チョー新大統領が国会に提出した閣僚名簿に、スー・チー氏の名前が含まれていた。

ヤンゴンで取材するBBCのジョナ・フィッシャー特派員によると、スー・チー氏は外相、教育相、エネルギー相、大統領府相を兼任する見通し。女性閣僚はほかにいないという。

閣僚18人のうち15人はスー・チー氏が選び、残る3人は軍の総司令官による人選だった。

議会は今週中にも閣僚名簿を審議し、承認する見通し。

憲法上の制約で大統領になることができないスー・チー氏は、閣僚にもならないというのが大方の予想だった。もし外相に就任するなら、今のミャンマーの入り組んだ政治機構では、議員辞職してNLD党首としての活動も控えなくてはならない。

軍事政権が制定した現行憲法では、外国籍の家族がいると大統領になれない。英国籍の息子が2人いるスー・チー氏を意識した規定とみられている。新大統領の選定前には、NLDがこの憲法規定の廃止や停止を求めて軍部と交渉を重ねたが、軍部はこれを受け入れなかった。

新大統領に選ばれたティン・チョー氏は、スー・チー氏の古くからの側近で、自分が選ばれたことは「アウン・サン・スー・チーの勝利だ」とコメントしていた。スー・チー氏はかねてから、自分は「大統領より上」の存在となり国を治めていくと発言していた。