モザンビークで発見の残骸「ほぼ確実に」不明マレーシア機の一部と

画像提供, Reuters
昨年12月に南アフリカの観光客がモザンビークで発見した破片
豪政府は、アフリカ南東部モザンビークで発見された航空機の2つの破片は、「ほぼ確実に」行方不明のマレーシア航空MH370便の一部だとの見方を明らかにした。破片は民間人がそれぞれ別々に発見。解析のためオーストラリアに運ばれていた。
チェスター豪運輸相は2つの破片の状態について、MH370便の残骸が海流に運ばれたと想定した「漂流モデルに一致する」と述べ、いずれも「マレーシア航空のボーイング777機のパネル」と同一の形状だと説明。「この破片はほぼ確実にMH370のものだと結論した」と発表した。
運輸相は、オーストラリア主導の深海調査がインド洋南部に焦点を絞っていることの妥当性がこれで明らかになったと述べた。
モザンビークで発見された破片のひとつは2月末に、事件を私的に調べている米国人が発見。これを機に、昨年12月に別の破片をモザンビークで発見したという南アフリカの観光客が名乗り出た。
これとは別に今月21日には南アフリカ南岸のモッセル湾で、英ロールズ・ロイス社ロゴの一部が発見されたため、関係当局が回収し分析する方針。ボーイング777機のエンジンは、ロールズ・ロイス社が作っている。
MH370便は2014年3月、239人を乗せたまま行方不明となった。マレーシア・クアラルンプールから北京へ飛行中に通信が途絶えた。針路から外れてインド洋に墜落したとみられているが、原因は不明のままだ。
機体や乗客乗員がどうなったのかも分からないままで、航空史の最大の謎のひとつとされる。
MH370関連の破片
1. フラッペロンと呼ばれる翼の一部。2015年7月にインド洋上のレユニオン島で発見された。これまではこれが唯一、MH370の一部と確認されていた。
2. 2015年12月にモザンビークで発見された破片。「ほぼ確実」にMH370の一部と。
3. 2016年2月にモザンビークで発見された破片。「No step」と記されている。「ほぼ確実」にMH370の一部と。
4. 2016年3月に南アフリカで見つかった、ロールズロイス社ロゴの一部。分析中。
続く捜索
MH370の予定航路(黒点線)、飛行経路(赤点線)、最後の人工衛星更新位置(赤線上のいずれか)、信号発信地点(赤点)、飛行可能圏(黄点線)、捜索海域(黄色)
2015年12月の捜索範囲
これまで探索されたことのない海底を調べる豪主導の捜索には中国やマレーシアの専門家も参加している。
チェスター運輸相は、残る2万5000平方キロの海底の捜索を続けるとして、「機体は見つけられると望みをつないでいる」と述べた。
しかし捜索に参加する3カ国は、重要な手がかりが得られない限り、この海底の捜索終了をもって捜索を打ち切るとしている。捜索は数カ月中に終わる見通し。