中国がG7外相声明を非難 領有権問題めぐり

中国が南シナ海の南沙諸島に造成する人工島の衛星写真

画像提供, Reuters

画像説明,

中国が南シナ海の南沙諸島に造成する人工島の衛星写真

中国外務省は12日、主要7カ国(G7)広島外相会合が南シナ海などでの領有権問題について出した声明について、「無責任な発言をやめるべきだ」とするコメントを発表した。

海洋安全保障に関する声明で外相たちは、緊張を高めるかもしれない「あらゆる威嚇的、威圧的または挑発的な一方的行動」に反対した。

中国は南シナ海、東シナ海のほぼ全域に対して領有権を主張しており、同じく領有権を主張する近隣諸国と摩擦が起きている。

中国は南シナ海で人工島の造成も進めており、専門家は、中国が人工島を徐々に軍事拠点化しているかもしれないと衛星写真からうかがわれると指摘している。

画像説明,

南シナ海で中国が主張する領海(赤の線)と周辺国の排他的経済水域(EEZ)(青の線)。緑は領有権が争われている島

G7メンバーの米国、英国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本の7カ国は中国を名指ししなかったものの、声明ですべての国に対し、土地埋め立てや「軍事目的」の拠点構築など、安定を脅かすか現状を変更し得る「行為を控えるよう」呼びかけた。

またG7外相たちは、領有権をめぐる紛争が「信義誠実及び国際法に従い」解決されることを求めた。

これに対して中国外務省の陸慷報道局長は、同国が主張する領有権は正当だとあらためて反論。

陸慷局長は、外相らが「無責任な発言、無責任な行動をやめ、地域の平和と安定のため本当に建設的な役割を果たすべきだ」と語った。