「時間との戦い」 熊本地震の救出活動

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崩れ落ちた道路(熊本県南阿蘇村)
強い地震と余震の続く熊本県や大分県の被災地では、懸命の捜索・救助活動が続いている。熊本県などによると、16日未明のM7.3の地震による死者は少なくとも32人にのぼり、14日夜の地震による死者9人と合わせて、一連の地震による死者は41人に達した。
政府によると、16日未明の地震ではさらに、2000人近くが病院に搬送され、190人が重体という。また約10万世帯で停電し、約40万世帯で断水。9万2000人が自宅からの避難を余儀なくされている。
安倍晋三首相は16日の地震非常災害対策本部会議で、天候悪化が予想されるなか「事は一刻を争う」と救助活動に全力尽くす姿勢を示した。
現地から――ロビン・ブラント記者(熊本県益城町)
寒く、雨が降っている。益城町の住民たちは避難していて、周りは閑散としている。
ここにいるのは安全ではない。30秒も歩けば、理由は明らかだ。住宅は軒並み倒壊したり、土台からずれ落ちている。大方は一階建てか小さなアパートだ。潰れたキャンピングカーに寄りかかるように崩れていたり、ベランダが道路の方に危険な状態で倒れかかっていたりしている。
自動車が数台通り過ぎた。道路に落ちた瓦のがれきを避けようと速度を緩める。そのすぐ前には、斜めに倒れかかった小さな家がある。チャップリン映画か何かで見るような光景だ。家の中の家具も見える。青いフレームの歩行器が雨に濡れていた。