【米大統領選2016】トランプ氏指名阻止でライバル2候補が協力

予備選での協力を発表したクルーズ氏(写真左)とケーシック氏

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予備選での協力を発表したクルーズ氏(写真左)とケーシック氏

米大統領選に向けた共和党候補の指名争いをめぐり、夏の党大会で投票する代議員の数でトップを走るドナルド・トランプ氏の勝利を阻止するため、ライバル候補の2人が各州の予備選で協力すると発表した。

合意に基づき、テッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)がオレゴン、ニューメキシコ両州での選挙運動を一部停止する一方で、ジョン・ケーシック・オハイオ州知事はインディアナ州の選挙戦でクルーズ氏に「道を譲る」という。

トランプ氏は2候補について「全く絶望的」、「数字的に終わっている」と述べた。

トランプ氏は代議員数で2候補に大差を付けているが、指名獲得を確保できる1237人には達していない。

代議員数が過半数になる1237人に到達しなければ、党大会は協議による候補指名となり、党幹部らの話し合いのなかで予備選の状況とは異なる候補が浮上する可能性がある。

「大惨事」

クルーズ氏とケーシック氏は、ほぼ同時に今回の合意を発表。クルーズ氏の選挙運動を率いるジェフ・ロー氏は、「ドナルド・トランプが11月本選の大統領候補になるのは共和党員にとって大惨事だ。トランプはクリントン(前国務長官)もしくはサンダース(上院議員)に大敗するだけでなく、彼が候補になることで、党は一世代立ち遅れる」と述べた。

ケーシック陣営の戦略担当のジョン・ウィーバー氏は発表文で、「クリーブランドの党大会を開かれたものにするのが我々の目的だ。党をまとめられる、11月本選で勝てる候補が党大会で浮上すると確信している」と述べた。

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トランプ氏は、「おお、私が共和党候補に指名されないようにうそつきテッドとケーシックが共謀すると、さっき発表があった。必死だな!」とツイートした

一部の共和党の戦略担当者たちはしばらく前から2陣営の協力を促していたが、すでに遅すぎるという指摘も出ている。

トランプ氏はツイッターで、「おお、私が共和党候補に指名されないようにうそつきテッドとケーシックが共謀すると、さっき発表があった。必死だな!」とツイートした。さらに、「うそつきテッドとケーシックは数字的に終わってるし、全く絶望的だ。彼らへの献金者や特別利益団体は喜んでいない。みっともない!」と続けた。

「力を合わせる」

一方、民主党では、サンダース氏が24日にコネティカット州ニューヘイブンで1万4000人を集めて開いた支持者集会で、クリントン氏が「ウォール街の密室での講演」で報酬を得たとあらためて批判した。

クリントン氏は代議員数でサンダース氏に大きな差を付けており、米北東部の各州での予備選で遅れをとるサンダース陣営の選挙戦に実質的なとどめをさしたいと考えている。

最近の選挙戦では両候補による双方への敵対的な言辞が増えている。

しかし、民主党の全国委員会のデビー・ワッサーマン=シュルツ委員長は、「今はいかに激しい応酬があったとしても(中略)我々は力を合わせる」と述べた。

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コネティカット州の支持者集会で自撮りするクリントン氏(24日)