オバマ米大統領、広島訪問へ 現職米大統領で初

昨年8月6日の広島平和記念式典

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原爆投下から70年を数えた昨年8月6日の広島平和記念式典

オバマ米大統領が今月27日、広島を訪問することになった。日米政府が10日、発表した。1945年8月の原爆投下以来、現職の米大統領による訪問は初めてとなる。ホワイトハウスは、原爆投下について謝罪はしないと言明している。

大統領報道官は文書で、「大統領は安倍首相と共に、広島へ歴史的な訪問をする。核兵器のない世界の平和と安全保障を、いかに引き続き追求するか浮き彫りにするためだ」と発表した。

大統領の広報顧問を務めるローズ副補佐官はツイッターで、謝罪はしない方針について「第2次世界大戦で尽くしたこの国の民間指導者や軍で働いた人々を、米国は永遠に誇りに思う」と書き、オバマ氏は「第2次世界大戦の終わりで原爆を使用するという決定について見直さない。代わりに、両国が共有する未来に集中した前向きな展望を示す」と説明した。さらに副補佐官は、大統領の訪問が「戦争で失われたすべての罪のない人々の思い出を尊重する機会となる」と書いた。

広島にはこれまでカーター元大統領が退任後の1984年に訪れているが、現職の訪問は初めてとなる。今年4月11日にはケリー米国務長官が現職で最も高位の米政府高官として広島を訪れ、平和記念公園の原爆死没者慰霊碑に献花した。この際にホワイトハウス関係者は米メディアに、国務長官訪問を参考に大統領訪問の是非を判断すると明らかにした。

オバマ大統領は21日~28日にかけて、日本とベトナムを歴訪する予定で、その一環として広島訪問が実現するはこびとなった。三重県の伊勢志摩で開かれる主要7カ国のサミットにも出席し、安倍首相と会談する。

日本訪問の前にはベトナムを訪れ、米・ベトナム関係について協議する。

1945年8月6日の史上初の原爆投下で、広島では14万人が死亡。続く長崎への原爆投下と合わせて、第2次世界大戦の終戦につながったとされている。

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オバマ大統領の広島訪問 長年のタブー破る

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