リオ五輪31人出場禁止か 北京五輪ドーピング疑惑

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リオ五輪は8月5日~21日の予定
国際オリンピック委員会(IOC)は17日、6競技で最大31人の選手がドーピングの疑いでリオデジャネイロ五輪に出場禁止となる可能性があると発表した。2008年北京五輪で採取した454検体を最新技術で再検査した結果という。
IOCはさらに2012年ロンドン五輪の250検体についても、再検査結果を待っていると明らかにした。
IOCのバッハ会長は「ずるをして勝つことを認めない。一連の措置は、それを強力に防ぐためのものだ」と説明。「ドーピング選手は逃げ隠れできないと、あらためて示す結果となった。検体を10年間は保存するので、不正選手たちは決して気の休まる時がないと分かっているはずだ。これほど大勢のドーピング選手のリオ出場を阻止したので、我々がいかに強い意志をもってオリンピック競技の公平性を守ろうとしているか、よく分かると思う」と述べた。
2008年の北京五輪では4500件もの薬物検査が行われたが、ドーピングが発覚したのはわずか9人だった。
IOCによると、今回の再検査はリオ五輪出場の可能性がある選手たちを対象に行われた。影響を受ける12カ国のオリンピック委員会には数日中に連絡するという。ただし、B検体の追加検査結果が明らかになり当事者に結果を通知するまでは、今回の検査でドーピングの可能性が浮上した選手たちの名前は公表しない方針。
IOCはさらに、ロシア情報機関が2014年ソチ冬季五輪でドーピングに協力していたという内部告発を受けて、ソチ五輪についても検体の再検査に取り掛かると明らかにした。ロシア当局はドーピング協力について否定している。
世界アンチ・ドーピング機関(WADA)も一連のドーピング疑惑を調査中で、17日には仏国家憲兵隊の元少佐で国際刑事警察機構(インターポール)捜査官だったマチュー・ホルツ氏を調査責任者に任命したと発表した。
IOCはリオ五輪前の情報収集を推進するようWADAに資金提供する方針を示した。それによって大会前の検査を「できる限り効率的かつ独立性が守られたものにする」方針という。
国際スポーツでのドーピングについては、WADA独立委に組織的ドーピングを昨年11月から指摘されていたロシア陸連が今月に入り、国際大会の出場資格停止を受け入れた。ムトコ露スポーツ相は15日付の英紙サンデー・タイムズに寄稿し、自国のドーピング防止制度で見つけられなかった不正選手について「とても申し訳ない」「恥ずかしい」と書いた。一方でムトコ氏は、不正をしていない選手までが罰を受けるのは不当で、リオ五輪前に出場禁止を解除しないのならそれは「不公平で過剰だ」と、処分解除を求めた。
WADAはケニアについても、ドーピング規制の決まりを順守していないと指摘。これに対してケニアのワリオ・スポーツ相は、リオ五輪出場禁止にはならないはずだと自信を示した。