【米大統領選2016】民主党ケンタッキー州予備選 クリントン氏が接戦制す

クリントン氏(写真右)は民主党候補の指名を獲得するとみられている Image copyright Getty Images
Image caption クリントン氏(写真右)は民主党候補の指名を獲得するとみられている

米大統領選に向けた民主党の予備選が17日、ケンタッキー、オレゴンの両州で開かれ、ヒラリー・クリントン前国務長官が接戦となっていたケンタッキー州で勝利を宣言した。一方、バーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)はオレゴン州で勝利した。党候補の指名争いではクリントン氏が依然として大きくリードしている。

ケンタッキー州では、開票率が99.5%を超えた段階で、州関係者がクリントン氏の勝利を非公式に宣言した。

党員登録していない有権者も投票ができるオレゴン州の予備選では、サンダース氏が勝利した。

7月の民主党大会で党候補を選ぶ選挙に投票する代議員数の配分は、ケンタッキー州予備選が60人、オレゴン州が74人となっている。

ペンシルベニア州フィラデルフィアで開催が予定されている党大会では、獲得代議員数でサンダース氏を大きく上回るクリントン氏の党候補指名が確実視されている。

共和党では、予備選はオレゴン州のみで実施され、ドナルド・トランプ氏が勝利した。候補が1人に絞られた現在、トランプ氏の勝利は予想通り。

ケンタッキー州選挙管理委員会のアリソン・ランダーガン・グライムス委員長はCNNテレビに対し、非公式結果としてクリントン氏が僅差で勝ったと述べた。

その後間もなく、クリントン氏はツイッターで、「つい先ほど、ケンタッキー州で私たちが勝ちました! 投票してくれた皆さん、ありがとう。いつでも団結した方が強い」とツイート。一方、サンダース氏はカリフォルニア州で開かれた支持者集会で、最後の一票が投じられるまで戦い続けると表明した。

過去には民主党ではなく無所属でこれまで政治活動を行ってきたサンダース氏に対しては、民主党候補のレースから撤退するよう求める圧力が高まっている。

しかし、サンダース氏は依然として党候補指名を獲得できる可能性が残っていると主張している。

カリフォルニア州での支持者集会では、選挙運動は「急な上り坂を上る」状態にあると認めたものの、支持者たちに希望を失わないよう訴え、2カ月後の「党大会まで戦いを持ち込む」と表明した。

しかし、サンダース支持者が先週末に開かれたネバダ州の民主党大会で騒ぎを起こすなどしたため、党の幹部らはサンダース氏に党内一致に協力するよう求めている。

上院民主党のハリー・リード院内総務は、サンダース氏が「リーダーとしての試練」に直面している、と述べた。

民主党全国委員会のデビー・ワッサーマン・シュルツ委員長は、暴力沙汰に対するサンダース氏の反応は「全く認められない」と語った。

17日は、共和党の党候補指名が確実の情勢となっているドナルド・トランプ氏にとっても忙しい一日となった。

・党全国委員会と選挙資金集めで合意

・北朝鮮の金正恩党委員長と直接会い、北朝鮮の核開発問題について話し合う用意があると発言

・地球温暖化をめぐって昨年12月に170カ国以上の合意の下採択された「パリ協定」の再交渉を求めると発言

・保有資産が100億ドル(約1兆1000億円)相当だとする資産情報を公表


<解説>アンソニー・ザーー記者(ワシントン)

ケンタッキー州では辛勝だったが、クリントン氏にとって勝ちは勝ちだ。

代議員数の上では、サンダース氏に僅差で勝とうが、負けようがあまり大したことではなかった。しかし、心理面ではおそらくうれしい後押しだろう。民主党の指名獲得のめぐる競争は実際のところ、心理面での戦いしか残っていない。

サンダース氏支持者たちはこれで、連勝を誇示しながら大票田カリフォルニア州の予備選に臨むことが難しくなった。

予備選結果に縛られない特別代議員は、すでに大半がクリントン氏支持を表明している。そしてサンダース氏はその特別代議員が意見を変えなくては指名獲得できないのは確実だ。連勝しているわけではなくなり、特別代議員の説得材料がさらに乏しくなった。

州予備選があるたび、サンダース氏大勝とは言いがたい結果が続いている。そしてその分だけ、クリントン氏は指名獲得に向け歩を進めている。残る州はあまり多くない。

しかしながら、先週のネバダ州での騒ぎや、サンダース氏の選対本部が民主党は支持者を軽んじていると主張したのを考えると、秋の本選でトランプ氏を負かすための党の団結に向けた前進はあまりない。

ケンタッキー州の結果も状況を変えるものにはならない。


(英語記事 Hillary Clinton declares victory in tight Kentucky race

この話題についてさらに読む