ユーロ圏、ギリシャに103億ユーロ追加融資へ 事態打開と

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ユーロ圏財務相会合は深夜まで続いた。写真はショイブレ独財務相(右)とマルタのシクルーナ財務相(中央)、フィンランドのストゥッブ財務相(24日)
ユーロ圏財務相会合は25日未明、ギリシャに103億ユーロ(約1兆2000億円)を追加融資すると合意した。いずれ債務軽減も実施するという合意について、11時間におよぶ協議を重ねた19カ国の財務相たちは「重要な事態打開」となると意義を強調した。ギリシャ議会は22日にも、債権国の求めに応じて新たな歳出削減と増税策を可決したばかり。
ユーロ圏財務相会合のディッセルブロム議長は記者団に、「ギリシャについて重要な事態打開が実現した。これによってギリシャ金融支援の新フェーズに入ることができる」と述べた。包括的な債務対策を「段階的に導入」していくことになるという。また、国際通貨基金(IMF)の参加継続も決まり、同議長は「発表できて嬉しい」と話した。
会合は、将来的な債務軽減にも基本合意した。これはIMFが強く要求していたことで、IMFはギリシャの国内総生産(GDP)比180%にもなる公的債務は維持不可能だと強く主張している。
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ギリシャ議会が緊縮予算案を可決するなか、議事堂前で抗議する人たち(22日、アテネ)
IMFのトムセン欧州局長は、ギリシャの債務が維持不可能で債務軽減が必要だと認められたことを歓迎。その一方で、IMFが救済に参加し続けるかどうかは、ワシントンの理事会が承認しなくてはならないと釘を刺した。
ギリシャの債務削減については、IMFとユーロ圏の意見相違が数カ月前から続いている。

ギリシャ議会、税と年金の改革法案を可決
ギリシャ議会は9日未明(日本時間同日朝)、同日のユーロ圏財務相会合に先駆けて、税制と年金対策を含む包括的な財政構造改革法案を可決した。