【米大統領選2016】トランプ氏、共和党候補指名に必要な代議員を獲得

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必要な代議員数を獲得したトランプ氏、ノースダコタ州で支持者に感謝(26日)
米大統領選で共和党から出馬している実業家ドナルド・トランプ氏が26日、共和党候補に指名されるために必要な代議員の数を獲得した。AP通信が独自集計結果を伝えた。ノースダコタ州で遊説中のトランプ氏は、同州の代議員15人のおかげで「頂上を超えた」と感謝した。
AP通信によると、トランプ氏はこれまでに少なくとも1238人の代議員の支持を獲得した。必要な過半数は1237人。
ゴール超えたトランプ氏 周りを動揺させ喜び
最終的な候補指名は7月の共和党全国大会で行われる。代議員の中には誰を支持するか、予備選の結果に縛られず当人の意志で大会当日に決められる人もいる。
民主党ではヒラリー・クリントン前国務長官とバーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)が候補指名を争っている。
トランプ氏は25日、6月7日のカリフォルニア州予備選の前にサンダース氏とテレビ討論したいと呼びかけた。サンダース氏はツイートで「よし、やろう」と応じている。
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サンダース氏は「よし、やろう。6月7日の予備選の前にカリフォルニアでドナルド・トランプと討論するのを楽しみにしている」とツイートした
トランプ氏はこれについて26日、「バーニーと討論することで何が問題かって? むこうが負けるよ」と述べた。
さらにトランプ氏はクリントン氏について、「ヒラリーの戦いっぷりを見ているんだが、勝ちを決められないんだな。すごく簡単なことのはずなのに」とあてこすった。
これに先駆けて主要7カ国(G7)首脳会議で訪日中のバラク・オバマ米大統領は、世界各国の指導者たちはトランプ氏に「動揺している」と発言。トランプ氏が「国際情勢について無知か、無頓着な態度」を示しているからだと批判した。
これについてトランプ氏はノースダコタで記者団に、よその国の指導者を動揺させるのは「いいことだ」と反論し、「(オバマ大統領は)ビジネスを何も分かっていない」と批判した。
その上でトランプ氏は、「この美しい世界で多くの国が、アメリカにひどい真似をして我々をいいように利用してきた。そういう国とも最高の関係を持ち続けるが、(自分によって)親しい感じで動揺するなら、それはいいことだ。悪いことじゃない」と述べた。
<解説>アンソニー・ザーカー、北米担当記者
「誰が」ではなく「いつか」の問題だった。指名獲得を妨げるものが実質的に何もない状態で、ドナルド・トランプ氏はどんなに遅くても6月7日のカリフォルニアとニュージャージ両州の予備選では、魔法の代議員数「1237人」を超えるはずだった。
しかしAP通信がすでに自分の勝ちを宣言したことは、ニューヨークの不動産王にとってたまらなくありがたい皮肉に違いない。これまでもっぱら自分を遠ざけてきた共和党主流派が、支持に回ったことの表れだけに。
もちろん、7月に共和党の党大会会場で風船が天井から降り注ぐまで、指名は正式ではない。しかし「#NeverTrump」(トランプはあり得ない)と呼びかけ、その行く手を阻止しようとした人たちの必死の訴えは、基本的に終わったに等しい。
これまでトランプ氏に迫った対立候補たち(テッド・クルーズ、ジョン・ケーシック、マーコ・ルビオ各氏)はまだ、自分たちが獲得した代議員について、誰でも任意に支持できるよう拘束を解いてはいない。しかし、その代議員たちの支持がなくてもトランプ氏は指名を得られる。
オハイオ州クリーブランドで開かれる共和党大会は、ドナルド・トランプ・ショーになる。そしてトランプ支持者でない者は、単なる見物人と化す。あるいは、自分を支持しないニューメキシコ州のスザンナ・マルティネス知事への攻撃ぶりからも分かるように、トランプ氏の標的となるのだ。
AP通信の代議員集計