ブラジルで2人目の閣僚辞任 汚職捜査の妨害疑惑で

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シルベイラ氏の辞任を求め同氏の部屋のドアをブラシでこする省の職員ら(30日)
ブラジルの大規模な汚職疑惑をめぐり、テメル新政権で2人目の閣僚が辞任した。
汚職撲滅を担当していたファビアーノ・シルベイラ氏は、国営石油会社ペトロブラスの汚職捜査を妨害しているように聞こえる会話の録音が公開されたことを受けて辞任した。
先週には、ロメオ・ジュカ企画・予算管理相が同様の会話の録音が明らかになったことで辞任している。
ブラジルでは、ジルマ・ルセフ大統領に対する弾劾裁判が今月決まり、職務停止となったことに伴い、ミシェル・テメル副大統領が暫定大統領に就任。辞任した閣僚2人とも新政権発足後に就任した。
ルセフ氏に対しては、再選を目指していた2014年に財政赤字を少なく見せるため予算を不正操作した、との疑いがかかっている。
ルセフ氏は、自身に対する弾劾裁判はペトロブラスに関わる捜査を止めるためだとして非難している。
テレビで放映された録音には、シルベイラ氏がレナン・カルヘイロス上院議長やセルジオ・マチャド元上院議員に、検察による捜査をどのように避けるか助言をしているようにとれる会話が含まれている。
また、ペトロブラスの捜査に携わる検察官らを批判しているように聞こえるシルベイラ氏の発言も含まれている。汚職捜査によって、数十人の政治家に容疑がかけられ、企業幹部数人が禁錮刑を受けた。
シルベイラ氏はペトロブラス傘下の運輸会社トランスペトロで社長を務めたことがあり、汚職疑惑の捜査対象となっている。同氏は、司法取引の一環として、有力政治家らとの会話の録音に同意した。
先週の時点で録音が最初に公開された際には、テメル暫定大統領の側近でもあるジュカ企画・予算管理相が辞任した。
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先週辞任したジュカ氏はテメル暫定大統領(写真右)に最も近いアドバイザーの一人