タイ寺院からトラ137頭を接収 観光名所だが批判も

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ワットパールアンタブア寺院から搬送される前にあくびをするトラ
タイの野生動物保護当局は30日、中部カンチャナブリ県の仏教寺院からトラ137頭を接収し、保護施設への移送を開始した。「タイガー・テンプル」として知られ、多くの観光客が訪れるこの寺院には、野生動物の違法取引や動物虐待の疑いがかけられている。
30日にはまず3頭が寺院から運び出された。トラの移送は今週いっぱいかかる見通しで、約1000人の職員が作業に当たっている。
ワットパールアンタブア寺院(通称「タイガー・テンプル」)の僧侶たちは違法行為を否定しており、政府の措置に抵抗していたが、裁判所の令状を提示されて抵抗を止めた。当局者によると、トラは保護施設に移されるという。
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麻酔薬を準備する獣医たち
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麻酔を投与されたトラを運ぶ当局者ら
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バンコクから西にある寺院は人気の観光スポット
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トラたちはタイ国内に3カ所ある保護施設に移送される
寺院は長年、政府によるトラの接収に抵抗していた。寺院が入場料を取ることは禁止されているものの、観光客は料金を支払い、トラにエサをやったり、写真を撮ったりしていた。
国立公園・野生動物・植物保全局のアディソルン・ヌチダムロング副局長はAFP通信の取材に対し、「今回は裁判所の令状がある。これまで寺院に協力要請をしてもうまくいかなかったが、今回は違う」と語った。
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寺院は動物園として運営する案を示したが、政府は施設が不十分だと判断した
僧侶たちに対しては、トラの違法な繁殖や取引の容疑がかかっている。
昨年2月の強制捜査では、ジャッカルやサイチョウ、クマの無許可飼育が発覚していた。