トランプ氏が怒りあらわに ゴルフPGAに所有コース外され

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自身が所有するゴルフコース「ドラル」内を移動するトランプ氏
米大統領選で共和党候補の指名を受ける見通しの実業家ドナルド・トランプ氏は1日、男子ゴルフのPGAツアーが同氏がフロリダ州に所有するゴルフコースを会場から外し、メキシコのコースを選んだことに怒りをあらわにした。
PGAツアーは同日、スポンサーが集まらないのを理由に、2017年の世界ゴルフ選手権(WGC)をフロリダ州マイアミにあるゴルフコース「トランプナショナル・ドラル」で開催できないと発表した。
トランプ氏は、PGAが「多くの米国人の雇用よりも、利益を優先している」と非難した。トランプ氏はこれまで大統領選で、メキシコが米国経済を弱体化させたと主張してきた。
PGAツアーのコミッショナー、ティモシー・フィンチェム氏は、現在のトランプ氏のイメージがスポンサー獲得を「難しくしている」とし、「根本的にスポンサーの問題だ」と語った。
一部報道では、高級車ブランド「キャデラック」がスポンサー契約を更新しなかったという。
フィンチェム氏は、「ドナルド・トランプはブランド、大きなブランドだ。大会の冠スポンサーとして何百万ドルも投資した上で、(トランプ氏と)名前を連ねるとなると、それは企業にとって難しい選択だ」と述べた。
しかしフィンチェム氏は、大会が過去55年間開催されてきたフロリダ州からメキシコシティに会場を移すことに政治的な背景はないと強調した。
「ゴルフ界として、トランプ氏との間に問題はない。政治面では我々は中立だ。PGAツアーは大統領選に関わったことはないし、関わりたいとも思わない」
PGAツアーは、メキシコの複合企業サリナス・グループと7年間のスポンサー契約を結んだ。第1回目のトーナメントは来年3月に開かれる予定。
トランプ氏は今回の決定について、「マイアミ、アメリカ、そしてゴルフというスポーツにとって悲しい日だ」、「なぜ自分が合衆国大統領に出馬しているのか、今回のこの決定は、その理由をさらに浮き彫りにするだけだ」と述べた。
新しい開催地はまだ公式に発表されていないが、各社報道によると、メキシコシティ郊外のクラブ・デ・ゴルフ・チャプルテペックになる見通し。
トランプ氏はフォックス・ニュースに対し、「みんな誘拐保険に入っているといいんだが」と語った。
フィンチェム氏は、すでに誘拐保険は手配済みらしいと話す。スタッフから聞いたことで「詳細については尋ねていないが、あまりおおっぴらにしない方がいいかもしれないとは言っておいた」という。