プミポン国王の即位70周年 タイ各地で祝賀行事

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プミポン国王は18歳の時に即位した
世界で在位期間が最も長いタイのプミポン国王(88)が9日、在位70周年を迎え、各地で祝賀行事が開かれた。
首都バンコクでは、縁起の良い数とされる770人の仏教僧が王宮に集まり儀式を行った。
国民から尊敬を集めるプミポン国王は、最近の政治的混乱のなかで安定を象徴する存在だ。しかし体調が思わしくなく、何カ月も公の場に姿を現していない。
7日には心臓手術を受けており、王宮は「満足できる結果を得た」としている。検査の結果、心筋の血流不足が分かり、バルーンによって動脈を広げる処置を受けた。
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王宮前に集まった770人の仏教僧(9日)
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王宮前で僧侶の托鉢に施しをするプラヤット首相(9日)
国民の多くは、ここ数年ほぼずっと入院しているプミポン国王の健康状態を気遣っている。
軍が主導する暫定政権のウィンタイ報道官は、「タイ国民と国王の絆は強く、実際に説明するのは難しい」と語った。「この国の父だ」。
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王宮で祝賀行事に参加する僧侶ら(9日)
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政治対立が続くタイでプミポン国王は国の統一の象徴だ(9日、バンコクで)
9日朝には王宮前に数百人が集まり、国王の健康を祈った。一連の祝賀行事に国王が出席する予定はない。
バンコクに住むチョンマネ・スマティバットさん(68)はAFP通信に対し、「国王が健康であるよう、善行を積みたい。国王に見てもらえなくても、そうすることで忠誠心が表せる。それでいい」と語った。「私たちみんなが国王が大好きだと伝えたい。タイ人のために一所懸命に働かれた。自分が子どもの頃から国王がどれだけ頑張っておられたか見てきた」。
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多くの国民が国王夫妻の肖像写真を飾っている
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プミポン国王の肖像を入れ墨にした男性(7日、タイ・プーケットで)
プミポン国王の人気は、長年にわたる在位も理由にあるが、政治の調停役としてみられていることもある。
タイでは2014年に軍事クーデターが起きるなど、政治の混乱が続いており、現在は軍が政権を握っている。
タイには厳格な不敬罪法があり、国王や王族の批判は禁じられている。