メキシコで教師ら抗議デモ 警官との衝突で6人死亡

デモ参加者はニワトリを運ぶトラックに火を放った(19日)

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デモ参加者はニワトリを運ぶトラックに火を放った(19日)

メキシコ南部オアハカ州で19日、政府の教育制度改革に反対する教師らによるデモの参加者が警官らと衝突し、6人が死亡した。また、多数の警官を含む負傷者が約500人出ている。

オアハカ州では先週、教職員組合のCNTEの指導者として広く知られる2人が汚職容疑で逮捕されている。

過去に過激な抗議活動を行ったことがあるCNTEは2人の逮捕後、抗議のため道路を封鎖している。

当局によると、警察が道路封鎖を解こうとしていた際、銃で武装した複数の男がデモ参加者と警察の両方に向かって発砲し、混乱と衝突を生じさせようとした。

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オアハカとメキシコシティとつなぐ道路はデモ参加者によって何日も封鎖されている

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19日の衝突で6人が死亡した

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労組の指導者としてよく知られる2人の逮捕で抗議デモは激しくなった

メキシコの国家安全委員会は発表文で、ノチストランという町の近くでデモに対応していた警官は銃を所持していなかったと述べた。

国営石油会社のぺメックスは先週17日、オアハカと首都メキシコシティを結ぶ高速道路の封鎖が続けば、地域にある製油所を閉鎖せざる得なくなるかもしれない、と警告した。

CNTEは、2013年にエンリケ・ペーニャ・ニエト大統領が導入した教育制度改革に反対している。改革には、教師を評価する新たな措置などが含まれる。

労組の組合員たちは、指導者2人の逮捕には政治的な動機が背景にあると主張している。

逮捕されたルーベン・ヌエズ容疑者は、組合員から不法に集めたカネの流用疑惑がかけられている。検察はさらに、同容疑者がマネーロンダリング(資金洗浄)に関わったとしている。

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ヌエズ容疑者(写真中央)は政府の教育制度改革に反対していた

検察のヒルベルト・ヒグエラ氏は、「(ヌエズ容疑者は)2013年から15年の間に2400万ペソ(約13億4000万円)を不法に集めた」と述べた。

ヒグエラ氏は、組合は組合員がオアハカにある一部の企業から購買した際の3.5%を上納するよう求めていたと語った。

検察は、労組が組合員の給与を管理しており、カネは給与から天引きされていたと指摘した。

ヌエズ容疑者の補佐、フランシスコ・ビラロボス容疑者は教科書を盗んだ容疑がかけられている。