南米コロンビア 政府と左翼ゲリラが停戦に署名

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署名式で。写真左からサントス・コロンビア大統領、カストロ・キューバ国家評議会議長、FARCのロンドニョ最高司令官(23日)
南米コロンビアで23日、政府と左翼ゲリラ「コロンビア革命軍」(FARC)が停戦合意に署名し、約半世紀以上にわたる闘争の終結へさらに前進した。最終的な和平協定は今後数週間内に結ばれる見通し。
キューバの首都ハバナで行われた署名式では、フアン・マヌエル・サントス大統領とFARCのロドリゴ・ロンドニョ最高司令官が握手した。
西半球で最も長く続いた反政府闘争で、推定22万人が死亡。700万人近くが住まいを追われた。
今回の合意は、ハバナで過去3年続いてきた交渉の成果だが、最終的な和平協定が結ばれるまで、停戦は実施されない。
サントス大統領は来月末までの和平協定の締結に期待を示している。
23日に署名された停戦合意の内容は以下の通り。
・FARCは最終的な和平合意の後180日以内に戦闘を停止
・移行期間に暫定地域を設定し、ゲリラメンバー7000人のためにキャンプを設営
・民間人のキャンプ立ち入りを禁止し、ゲリラメンバーの安全を確保
・ゲリラの武器は国連の監視団に引き渡す
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コロンビアの首都ボゴタで、大型スクリーンで署名式を見る人(23日)
「ティモチェンコ」の別名があるロンドニョ最高司令官は署名式で、「この日を戦争最後の日にしよう」と呼びかけた。
政府とゲリラは、停戦を国民の投票にかけるというサントス大統領が提案について、裁判所の判断に任せることで合意した。
サントス大統領は署名を「歴史的な日」と述べた。「50年に及んだ死、攻撃、苦しみは終わりを迎えた」とし、「FARCとの戦闘は終了する」と語った。
欧州連合(EU)のフェデリカ・モゲリーニ外交安全保障上級代表も停戦合意を歓迎し、「コロンビアの和平プロセスの分岐点になった」と述べた。
ジョン・ケリー米国務長官は、「大変な仕事がまだ残っているが、ゴールは近づいており、これまでで最も近くなっている」と語った。