サウジアラビアで連続自爆 聖地近くでも

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聖地メディナの「預言者のモスク」付近で燃える車両の映像
サウジアラビアで4日、国内3カ所で自爆攻撃が相次いだ。内務省によると、西部のイスラム教聖地メディナにある「預言者のモスク」付近で起きた自爆攻撃では、治安部隊員4人が死亡し、5人が負傷した。
内務省によると、モスク前で治安部隊員に呼び止められた男が自爆した。
一方、サウジ資本の衛星テレビ局アルアラビーヤは、男は治安部隊員を狙い、ラマダン(断食月)の断食明けを共に祝うふりをして自分から近づいていったと伝えている。
モスク内にいた南アフリカ出身のカリ・ジヤード・パテルさん(36)はAP通信に対して、断食明けを知らせる大砲の音かと最初は思ったと話した。「地面が強く揺れて、建物が内破したみたいだった」と言う。
「預言者のモスク」は預言者ムハンマドの霊廟で、メディナはイスラム教徒にとってメッカに次ぐ第2の聖地。
BBCワールドサービスのアラン・ジョンストン中東編集長は、自分たちにとってこれほど神聖な場所での攻撃に、世界中のイスラム教徒が呆然とするはずで、過激派勢力のいわゆる「イスラム国」(IS)が疑われるだろうと指摘している。
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「預言者のモスク」の後ろから黒煙が上がった
メディナでの攻撃に先立ち、東部カティーフでイスラム教シーア派のモスク近くで少なくとも1回、爆発があった。攻撃した男は殺害されたが、他に死傷者は出ていない。カティフには、サウジアラビアでは少数派のシーア派住民が多く住む。
4日未明には、西部ジッダの米総領事館前で自爆犯と思われる男が爆発物を起爆させた。取り押さえようとした警備兵2人が負傷した。
いずれの事件についても、犯行声明は出ていない。
イスラム圏の多くで、ラマダン(断食月)が5日に明ける。
サウジアラビアでは過去2年間にISによる攻撃が相次ぎ、内務省は先月、2年間で「テロ攻撃」が26件あったと発表している。
メディナとカティーフの位置
6月末からISが犯行声明を出した、もしくはISによるものとされる攻撃が世界各地で相次いでいる。
・トルコ・イスタンブールの空港で6月28日、銃撃と自爆攻撃で45人が死亡。
・バングラデシュの首都ダッカで1日夜、武装集団がカフェを襲撃。人質20人と警官2人が死亡。
・イラクの首都バグダッドで3日未明、繁華街入口で大型トラックが爆発。165人が死亡。