国連安保理が南スーダンでの戦闘停止を求める声明

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首都ジュバを警備する警官と兵士(10日)
国連安全保障理事会は10日、緊急会合を開き、南スーダンでキール大統領派とマシャール副大統領を支持する反政府勢力との間の戦闘を停止するよう求める声明を出した。
全会一致で承認された声明では、戦闘を「極めて強い調子で」非難するとし、国連施設への攻撃について、「特に強いショックと怒り」を表明した。
安保理はさらに、平和維持部隊の増強を求めている。
南スーダンでは、先週8日からキール派とマシャール派の間の対立が激化し、数百人が戦闘で殺害されたとみられている。
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マシャール副大統領(写真左)とキール大統領(同右)が8日に協議したものの、ほどなく銃撃戦が起きた
マシャール派は、政府軍が首都ジュバのマシャール派の複数の拠点を攻撃したと主張した。マシャール副大統領のスポークスマンは10日、BBCに対し南スーダンが「戦争状態に戻った」と述べた。一方、ルエス情報相は戦争状態にあると言うのは「不誠実だ」と語った。
現地の国連関係者によると、何百人もの人々が国連施設内に避難している。
2015年に和平協定が結ばれた南スーダンでは、今回の衝突を受けて、情勢が再び不安定化する懸念が高まっている。8日の戦闘は、キール大統領とマシャール副大統領の護衛がお互いに発砲したことがきっかけになったとみられ、少なくとも150人が死亡している。
南スーダンで武力衝突 独立5周年迎えたばかり
キール氏とマシャール氏は8日に大統領官邸で協議し、冷静な対応を求める声明を出した。
9日にはいったん鎮静化したものの、10日にはマシャール派の兵士らが駐屯する兵舎の近くで激しい銃撃戦があったもようだ。
南スーダンに存在する60以上の民族の中で最も多いのはディンカ人(上図の緑の地域)とヌエル人(紫の地域)。キリスト教徒とイスラム教徒が混在するほか、言語や伝統もさまざまだ。