南仏ニースでトラック突入、死傷者多数 大統領は「テロの性質」と

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南仏ニースで海岸遊歩道に突入したトラック。フロントグラスに銃痕と思われるものが複数見える
フランスの革命記念日を祝う南仏ニースで14日夜、海沿いの遊歩道に、大型トラックが突入した。仏内務省によると、84人が死亡、約50人が負傷した。負傷者のうち18人が重体という。
AFP通信は警察の話として、現場で31歳のチュニジア系フランス人の身分証明書が見つかったと報じた。白い大型トラックを運転していた男は、警察に射殺される前に銃を何度か発砲したとみられるという。ロイター通信は、攻撃犯には犯罪歴があるため警察は把握していたものの、情報機関には知られていない人物だったと報じた。
AFPはさらに捜査筋の話として、「作動しない」手投げ弾や「数丁の偽ライフル」がトラックの中で見つかったと伝えた。
15日にテレビ演説したフランソワ・オランド大統領は、攻撃が「テロリストの性質」を持つと述べ、非常事態宣言を3カ月延長すると表明した。非常事態宣言は今月26日に解除される予定だった。
オランド大統領は、「フランスは大きな打撃を受けた」とし、「このような攻撃と戦うため、できること全てをしなくてはならない」と語った。「フランス全土がイスラム教テロリズムの脅威にさらされている」。
現場は観光地として有名な海沿いの「プロムナード・デザングレ」。花火の打ち上げが終わったところで、多くの人が集まっていた。
内務省のブランデ報道官は、運転手を「無力化」したと発表。人質がとられているという報道は否定した。運転手が単独犯だったか調べているという。
AFP通信によると検察は、トラックが群衆の中を2キロにわたり走り続けたと話している。
犯行声明を出したグループはいないが、検察によると今後の捜査はテロ対策捜査官らが行うという。
トラック車内の人間と警察と銃撃戦になったという情報もあるが、確認されていない。
ソーシャルメディアには、現場から走って逃げる人たちの様子や、現場で数十人が倒れている様子などが投稿された。
「ひどいことになっている」 ニースのトラック突入現場
現場から逃げる人たちを映したビデオがソーシャルメディアに投稿された
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負傷した女性を助ける救急隊員
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衝撃を受ける地元の人たち
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通行車両を検問する警察
AFP通信の記者は、花火打ち上げが終わろうとするところで、「大勢がなぎ倒され、破片が飛び散るのが見えた」と話した。
ツイッターに投稿された写真では、遊歩道の真ん中で停車した白いトラックが見える。前方部が破損し、ヤシの木に後ろから様子をうかがう警官4人の姿も見える。
目撃した1人は地元テレビに、「みんなが『走れ、走れ、攻撃だ、走れ、走れ!』と叫んでいた。銃声もいくつかきこえた。最初は7月14日の記念花火だと思った。大パニックだった」と話した。
現場に居合わせたBBCのロイ・カリー記者は、発生当時の遊歩道には「数千人もの人がいた」と話した。
米ホワイトハウスは、「ニースで恐ろしいテロ攻撃が発生したようすで、きわめて強く非難する」という大統領コメントを発表した。
米国家安全保障会議(NSC)のプライス報道官は、大統領は状況方向を受けており、「国家安全保障担当チームが適宜、最新情報を伝えていく」と話した。
ニースの位置

ビデオ, 「ひどいことになっている」 ニースのトラック突入現場, 所要時間 1,07
南仏ニースで14日夜、革命記念日を祝う打ち上げ花火の見物客が集まっていた海岸沿いの遊歩道に、大型トラックが突入し、大勢が死傷した。警察当局は運転手を射殺し、トラックから多数の銃や手投げ弾を発見したという。