「反撃しなくては」米警官射殺の容疑者、動画を投稿

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ロング容疑者が投稿した動画から
米南部ルイジアナ州のバトンルージュで17日に警官6人が死傷した事件で、実行犯とされる元海兵隊員のギャビン・ロング容疑者(29)が、警察の黒人に対する扱いへの不満を述べる動画を投稿していたことが明らかになった。ロング容疑者は、動画の中で「反撃しなくてはいけない」と語っている。
ロング容疑者は17日朝に警察によって射殺された。
バトンルージュでは今月5日に、黒人男性が地面に押し付けられながら警官に射殺される動画がインターネットで広まり、抗議デモが行われていた。さらに翌日には、中西部ミネソタ州で同様に、黒人男性が警察に車を止められ射殺される事件が発生。7日夜には、南部テキサス州ダラスで抗議デモを警備していた警官が黒人の元陸軍予備役兵士に狙撃され、5人が死亡した。
今回の警官射殺を受けて、オバマ大統領は、全ての米国民に対して団結を呼びかけ、対立的な言辞を慎むよう求めた。
ロング容疑者は2005年8月から10年8月まで海兵隊に所属し、軍曹まで昇進している。2008年6月から翌年1月までイラクに派遣された。多くのメダルや表彰を受けた後、名誉除隊していた。
ロング容疑者はインターネットの投稿では、「コスモ・セテペンラ」という偽名を使っていた。黒人に対する不正義だとする主張を述べ、「反撃しなくてはいけない」と語っている。
動画投稿サイト、ユーチューブの動画では、自分の身に「何か起きた時」は、自分がどのようなグループとも「関連がない」とし、「正義の精神につながる者で、それ以上でも以下でもない。自分の考えは自分のもので、自分自身で物事を決める」と述べていた。
同容疑者はこのほか、ダラスで警官5人が殺害された事件の後に同市を訪れたことについて語る投稿もしている。
ルイジアナ州警察の幹部、マイク・エドモンソン氏は、ロング容疑者は単独で行動していたとみられると述べた。
死亡した警官は、バトンルージュ市警のモントレル・ジャクソンさん(32)、マシュー・ジェラルドさん(41)と、副保安官のブラッド・ギャラフォラさん(45)の3人。3人ともそれぞれ、自らの家族がいた。
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警察は通報で現場におびき出された可能性について調べている
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地元の教会で通夜が行われた(17日)
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殺害された警官のひとり、モントレル・ジャクソンさん
バトンルージュ市の地図(緑印が今回の銃撃があったとみられる地域)