ドイツ列車攻撃犯 手製のIS旗を所持

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襲撃犯は列車から逃げたが、警察に射殺された
ドイツ南部を走る列車内で18日夜、アフガニスタン人の移民少年がおのやナイフで乗客を襲い、4人が負傷した。捜査当局は、少年が自室に、過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)の手製の旗を所持していたと明らかにした。
17歳の少年は、南部のビュルツブルク近郊で香港からドイツを訪れていた4人の乗客を負傷させ、列車から降りて逃げようとしたが警察に射殺された。地元メディアによると、少年は襲撃時に「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」と叫んでいたという。
隣国フランスでは先週、南部ニースで革命記念日の花火を見物していた群衆に大型トラックに乗った男が突っ込み、80人以上が死亡したばかり。ISは、実行犯とされるモハメド・ラフエジブフレル容疑者(31)がISの呼びかけに応じて犯行に及んだとする声明を出した。
バイエルン州のヨアヒム・ヘルマン内相は公共放送ARDに対し、少年は17歳のアフガニスタン人の難民で、現場近くのオクセンフルト在住だったと語った。少年は保護者なしでドイツに来たとみられるという。
ヘルマン内相は、当局は少年が犯行時に上げた「なんらかの叫び声」について調べていると語った。ドイツのメディアは、目撃者の話として、少年が「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」と叫んだと報じた。
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列車の車両内には血痕が残る(18日)
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現場に到着した救急隊の車両
列車はビュルツブルクとトロイヒトリンゲン間を走るローカル線。警察の広報担当者は、「ビュルツブルクに到着した直後、男がおのとナイフで乗客を襲った」と語った。
少年は列車を降りて逃げようとしたが、追跡する警官に撃たれて死亡した。
少年の動機はいまだに明らかになっていないものの、ベルリンで取材するBBCのデイミアン・マクギネス記者は、隣国フランスで相次ぐイスラム過激主義者による攻撃がドイツ国内でも起きるのではないかと懸念が高まっていると話す。
今年5月には、ミュンヘン近郊の駅で、「アッラーフ・アクバル」と叫んでいたとされる男性がナイフで周辺の人を襲い、1人が死亡、3人が負傷した。
男性は精神科病院に入院。当局は男性とイスラム過激主義との関連は見つからなかったとしている。
ビュルツブルク(Wurzburg)はドイツ南部に位置する