独ミュンヘン乱射で9人死亡 警察は画像の提供呼びかけ

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ミュンヘンのマンションを捜索する警官たち(23日)
独南部ミュンヘンのショッピングセンターで22日午後6時(日本時間23日午前1時)前、男が銃を乱射し、9人が死亡した。さらに16人が負傷し、そのうち3人は重体という。調べによると男は単独犯で、現場近くで自殺したもよう。ミュンヘンに住む18歳のイラン系ドイツ人だという。警察は市民に、証拠となる動画や写真、音声などの提供を呼びかけている。
目撃情報によると、男はハーナウアー通りで発砲を開始し、通りの反対側にあるオリンピア・ショッピングセンターに入っていった。現場のビデオには、マクドナルド店の前で発砲する男の様子が映っている。また別のビデオでは、男が1人で駐車場ビルの平らな屋根の上を歩き回り発砲する様子が見える。撮影者に対して「自分はドイツ人だ」と叫んでいる。
ミュンヘン市警によると、ショッピングセンターから約1キロ離れた場所で、男の遺体を発見したという。犯行動機はまだ不明。捜査の参考になる画像や音声があれば、専用アカウントにアップロードしてもらいたいと市民に呼びかけている。
警察は、男の氏名を公表していない。2年以上前からミュンヘンに住んでいたが、これまで警察に把握されることはなかったと、フベルトゥス・アンドラエ市警本部長は報道陣に話した。過激派勢力とのつながりも確認できていないという。
ミュンヘンのマックスフォルシュタット地区にある男の自宅を、特殊捜査隊が家宅捜索したという情報もある。
ショッピングセンターで事件を目撃したルアン・ゼキリさんはドイツのN-TV放送局に、襲撃犯は軍服風のブーツを履き、バックパックを背負っていたと話した。
「男の方を向くと、階段にいた2人の人を撃った」という。ゼキリさんは店の中に隠れたが、外へ出る際に、死傷して倒れている人たちを見たと話している。
ミュンヘンの位置、および発砲のあったマクドナルド店舗、ショッピングセンター、駐車場ビルの位置関係
ミュンヘンは独南部バイエルン州の州都。乱射現場から逃げた男を追跡する間、市内の公共交通機関は一時、運行を停止したが、23日朝までには再開した。市内は通常通りの状態に戻りつつあるという。ショッピングセンターの前には市民が次々と、追悼の花束やろうそくを手向けていた。
トーマス・デメジエール内相は、犠牲者の追悼のため国内各地の施設で国旗を半旗にして掲揚するよう指示した。
アンゲラ・メルケル首相は予定していた休暇を延期し、緊急の国家安全保障対策会議を23日に開く。
ドイツでは18日夜に南部ビュルツブルクで、走る列車内でアフガニスタン人の移民少年がおのやナイフで乗客を襲い、4人が負傷している。また南仏ニースでは14日夜、チュニジア出身の男が大型トラックで遊歩道を散策する人たちの中に突入し、80人以上を殺害した。
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オリンピア・ショッピングセンターの前には花やろうそくが手向けられた(23日)
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乱射現場の武装警官たち(22日)
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ショッピングセンターはバイエルン州最大級という。写真は事件現場近くの警官(23日)