シリア・アレッポめぐる攻防 反体制派は政府軍の包囲網に抵抗

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空爆で負傷した人を助ける人々(先月31日、シリア・アレッポで)
シリア北部の要衝アレッポをめぐる攻防が続くなか、反体制派は政府軍による包囲網を破ろうと攻撃を仕掛けている。
反体制派は先週末、支配地域のアレッポ西部と政府軍に包囲された東部を繋げる通路を獲得しようとした。そのために、戦略的に重要なラムーサ地区にある部隊の拠点の地下で、大きなトンネル爆弾を爆発させた。
政府軍はロシアによる空爆の支援を受けながら、反乱軍の突破を防ごうとしている。
反体制派が支配する地域では、およそ25万人の民間人が先月始まった政府軍の包囲網の中で生活している。

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降伏した反乱軍兵士とされる写真。シリア政府系メディアが報じた(2日)

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戦闘で破壊されたアレッポの街(先月29日)
反乱軍の指揮官のひとりはロイター通信に対し、「ラムーサを見渡せる地点を獲得したが、ロシアの戦闘機による空爆が激しくなっていて、迅速な移動ができなくなっている」と語った。
シリアの商都だったアレッポは、建築遺産や遺跡が豊富なことでも知られていた。しかし、5年以上続く内戦によって、大半が破壊や略奪に遭っている。
ロシアとシリア政府は、人道的な措置として、民間人や降伏したい反乱軍兵士が包囲地域から安全に脱出できる回廊を設けたとしているが、通過した人はあまりいないと報じられている。

アレッポ周辺の勢力図(緑が政府軍、灰色が反体制派、オレンジが過激派組織「イスラム国」、赤がクルド人勢力)