エジプト軍、シナイ半島のIS分派指導者を殺害と発表

2013年に行われたABM戦闘員の葬儀

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2013年に行われたABM戦闘員の葬儀

エジプト軍は4日、シナイ半島を拠点とする過激派組織「イスラム国」(IS)分派「アンサール・バイト・マクディス」(ABM)の指導者、アブ・ドア・アンサリ容疑者を空爆で殺害したと発表した。

エジプト軍はシナイ半島北部で最大の町アリーシュにあるABM拠点を空爆し、アンサリ容疑者のほか、数十人の戦闘員を殺害した。

2011年に活動をはじめたABMはエジプト国内で最も活発な反体制派組織で、首都カイロやシナイ半島で死傷者が出た攻撃への関与が疑われている。

エジプト軍は、「掃討作戦でテロリスト45人が死亡、数十人が負傷した。また複数の武器庫を破壊した」と述べた。ムハンマド・サミール准将はフェイスブックで、「正確な情報」に基づく作戦によってアンサリ容疑者を殺害したとした。作戦が実行された時期については明らかにされていない。

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シナイ半島では近年、イスラム主義勢力による攻撃が相次いでいる

空爆はアリーシュの南部と南西部で行われた。ABMから声明は出ていない。

エジプトでは、ムスリム同胞団のムハンマド・モルシ元大統領が2013年に軍事クーデターで失脚して以来、イスラム主義の武装勢力が活動を活発化している。

ロンドンに本拠を置くウェブサイト「アラビー・ジャディード」によると、ABMは今年3月、わずか2週間の間に少なくとも31回の攻撃をシナイ半島で実行している。ABMは宣伝ビデオを多数制作していることでも知られる。

3日には、イスラエルが近く「高い代償を払わされる」とするビデオが公開された。ABMがイスラエルに直接的な脅迫を行うのはまれだ。