ISは「無敵ではない」 オバマ米大統領

オバマ大統領はリビアでの空爆を承認した

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オバマ大統領はリビアでの空爆を承認した

オバマ米大統領は4日、過激派組織「イスラム国」(IS)について、「無敵ではない」と述べ、いずれは掃討できるとの見方を示した。ただ、シリアとイラクの一部地域を支配するISは依然として脅威だと指摘した。

国防総省との会合を終えて会見したオバマ大統領は、対IS作戦は前進しているとしながらも、ISが外国での攻撃に重点を移していると語った。

オバマ大統領は「単独犯、または少数集団が複数の人を殺害することは現実としてある」と述べ、米国内で過激派組織のネットワークが活動を活発化させる可能性があると述べた。

オバマ大統領はまた、イランで拘束されていた米国人4人が今年1月に解放された際に4億ドル(約400億円)の身代金を払っていたとの報道を否定した。

西側の主要国は、リビアで勢力を伸ばしたISへの懸念を高めている

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西側の主要国は、リビアで勢力を伸ばしたISへの懸念を高めている

ISはいずれ掃討できるとの見方を示したオバマ大統領は、「過去1年間にわたってISはシリアとイラクで大きな進攻に成功していない」と語った。

ISは支配地域で守勢に立たされているものの、イラクやフランス、ドイツ、バングラデシュなどで起きた攻撃事件で国際社会に衝撃を与えた。

オバマ大統領は恐怖に負けないようにするのが重要だと指摘し、「ISIL(ISの別称)は米国やNATO(北大西洋条約機構)加盟国を負かすことはできない」と述べた。

しかし、民間人の無差別殺害や米国入国時の宗教テスト実施など、米国の指導者が「間違った選択」をした場合には、米国が自らの敗北をもたらすこともあるとした。

オバマ大統領は、「このような戦略は逆効果になる可能性がある。この戦いに最終的に勝利するためには、西側とイスラムの間の文明の衝突という形にしてはならないからだ」と述べた。「そうなればISILの思うつぼで、彼らが主張する間違ったイスラム教の解釈の通りになってしまう」。

米国は1日、北アフリカのリビアでIS拠点を空爆した。空爆は国連が後押しするリビア統一政府の要請を受けて実施された。

西側の主要国は、リビアで勢力を伸ばしたISへの懸念を高めている。