プーケット島などタイ各地で連続爆発 4人死亡

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タイ中部のホアヒンで負傷者を救助する救急隊員ら
有名リゾート地プーケット島などタイ各地で、11日から12日にかけて爆発が相次ぎ、4人が死亡、数十人が負傷した。犯行声明は出ていない。
タイ中部の保養地ホアヒンでは、24時間の間に4回の爆発が起き、2人が死亡した。12日にはプーケット島のパトンビーチで爆弾2発が爆発した。
また、タイ南部のスラタニ市で起きた2回の爆発で1人が死亡。同じ南部のトラン市で起きた爆発で1人が死亡した。また、パンガー市でも爆発が起きた。
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負傷者を救助する警官(12日、タイ・ホアヒン)
ホアヒンやプーケット、パンガーは美しいビーチで知られており、今回の連続爆発は観光客を標的にしたものである可能性が高い。
タイで12日はシリキット王妃の誕生日で祝日。犯行声明は出ていないが、最南部で自治権拡大や分離・独立を訴えるイスラム教過激派の犯行との見方が出ると予想される。
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ホアヒンの爆発現場
ホアヒン(Hua Hin)の位置
連続爆発の背後にいるのは?
警察は12日、複数の容疑者を拘束したと明らかにした上で、国際的なテロ事件ではないとの見方を示した。また、南部の過激派との関連は明らかでないとした。
バンコクで取材するBBCのジョナサン・ヘッド記者は、もし南部の過激派によるものだとすれば、従来の戦術からの大きな転換を意味すると指摘する。過去12年間の対立で6000人以上が殺害されているものの、観光客が標的にされたことはないという。
タイ国内の観光地や南部の空港では治安が強化されている。
なぜ観光地が標的になったのか
連続爆発が、タイにとって非常に重要な観光産業を標的にしているのは明らかだ。ホアヒンでの爆発は、多くの観光客が訪れるバーが立ち並ぶ地域で起きており、負傷者には複数の外国人が含まれている。
しかし、ホアヒンが主な攻撃対象となったのは象徴的な意味を持つとヘッド記者は指摘する。王室の保養地として知られ、プミポン国王がよく訪れる場所だからだ。さらに爆発の大半が起きた12日は、王妃の誕生日を祝う日でもあった。
休暇でホアヒンを訪れていた豪キャンベラ在住のブラント・スミスさんはBBCの取材に対し、いつもは静かなリゾート地の人々は「動揺した様子」で、スミスさんが滞在するホテルの周辺は厳重な警戒が敷かれていると話した。