トルコ、シリアのISとクルド人を攻撃 自爆犯は子供か不明と

ガジアンテプ自爆攻撃の被害者を弔う葬儀(21日)

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ガジアンテプ自爆攻撃の被害者を弔う葬儀(21日)

トルコ南部ガジアンテプで20日夜にクルド系住民の結婚式会場が自爆攻撃で襲われたのを受けて、トルコは22日、シリア北部のいわゆる「イスラム国」(IS)拠点を攻撃した。またクルド人民兵組織「人民防衛隊」(YPG)の拠点も攻撃した。54人が死亡した結婚式攻撃について、エルドアン大統領は12~14歳の子供によるものだと声明を出したが、ユルドゥルム首相は、身元はまだ確認できていないと慎重姿勢を示した。

ガジアンテプ攻撃犯人の年齢について、ユルドゥルム首相は、12~14歳だという以前の発言は目撃者証言をもとにした「推測」だと述べた。

自爆攻撃の犠牲者の身元確認が進んでおり、トルコのドアン通信によると、多くの犠牲者は子供だという。また13人は女性。子供や女性の犠牲が特に多いのは、主に女性や子供が出席する結婚パーティーの会場が狙われたからだと、BBCモニタリングのトルコ・アナリスト、ピナル・セビンクルデュル記者は説明する。

トルコ紙ヒュリエットは、使われた爆弾には金属片が含まれ、過去にクルド系集会が襲われた際に使われたものと似ていると指摘する。

ガジアンテプはシリア国境に近く、ISの「セル」(個別集団)が複数活動しているとみられている。

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米紙ニューヨーク・タイムズのトルコ担当記者が、ガジアンテプの犠牲者の年齢をツイートした

トルコ軍はシリア北部のジャラブラス及びマンビジで、ISやYPGの拠点を攻撃した。一方で、結婚式攻撃のあったガジアンテプでは、トルコ政府が支援するシリア反政府勢力の戦闘員約1500人が、シリア領内のIS攻撃に備えているとされる。

現地で取材するBBCのマーク・ローウェン記者は、ガジアンテプ発のIS掃討計画が、ISによる結婚式攻撃の原因だったという見方もあると指摘する。トルコがシリア紛争に巻き込まれていくに伴い、トルコ国内での爆弾攻撃が激化する恐れもあると記者は見方を示す。

トルコのチャブシュオール外相はISについて、シリア北部から「完全に除去」されるべきだと述べている。

これまで、YPGを含む武装勢力の連合が、マンビジを含むシリア北部の村からISを掃討してきた。しかしトルコのテレビ報道によると、トルコの爆撃はマンビジ北郊のYPG拠点も対象にしているという。

トルコ政府はYPGを、クルド人の自決権を求めて1980年代からトルコ内で活動する「クルディスタン労働者党」(PKK)の関連組織とみなしている。

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ガジアンテプ自爆攻撃で死亡したアフメト・トラマンさんの親族

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自爆攻撃の犠牲者埋葬のため、近くの墓地に墓が掘られた(21日)