【米大統領選2016】トランプ氏、メキシコ大統領と31日に会談

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トランプ氏は選挙戦で、メキシコからの移民を「犯罪者」で「強姦犯」だと決めつけた
11月の米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏は30日、メキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領の招待を受け入れ、同大統領と31日に会談すると述べた。
トランプ氏はツイッターで、ペニャニエト大統領に会うのを楽しみにしている、とツイートした。ペニャニエト大統領は民主党候補のヒラリー・クリントン氏も招待している。
ペニャニエト大統領は、対話することによって各地の「メキシコ人を守ることになる」と意義を強調した。
トランプ氏は大統領選への出馬を表明した際に、メキシコ移民は「犯罪者」で「強姦犯」だと発言し、批判の声が上がった。同氏はまた、メキシコとの国境に壁を築くと約束している。
トランプ氏への支持率は、7月の共和党全国大会が終わってから下がりつつあり、全国及び激戦州の世論調査でクリントン氏の後塵を拝している。一方のクリントン氏は、特に少数派の間に強い支持基盤を築いている。
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ペニャニエト大統領はメキシコ人の安全確保が優先事項だと語った
ペニャニエト大統領は、招待状をトランプ氏とクリントン氏の両方に送ったと明らかにし、トランプ氏と31日に会談すると述べた。
同大統領は、「世界におけるメキシコの利益を守ると同時に、主に、メキシコ人がどんな場所であっても安全でいられるために対話が必要だと信じている」とツイッターで述べた。
大統領府によると、大統領とトランプ氏の会談は非公開。ペニャニエト大統領は、トランプ氏の移民政策や国境の壁の建設費をメキシコに負担させるという主張を激しく批判してきた。
トランプ氏は、メキシコが建設費を支払わない限り、米国内のメキシコ人の現金送金を止めると述べている。
BBCのメキシコ特派員、ケイティ・ワトソン記者は、米国内で働く家族からの送金に頼る多くのメキシコ人家庭が、トランプ氏の発言に懸念を抱いていると指摘する。
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トランプ氏は壁の建設費をメキシコが負担しないならば、メキシコ人の送金を止めると語っている(写真はニューヨーク市のクイーンズ地区)
安い人件費を魅力に感じる企業がメキシコに移転する例が相次ぐなか、トランプ氏はメキシコが米国の雇用を奪っていると主張している。
トランプは昨年2月、メキシコが「どの国よりも米国からカネを奪っている」とツイートした。
今年6月には、男子ゴルフのPGAツアーが会場を同氏がフロリダ州に所有するゴルフコースからメキシコに移すと発表したことに怒りを表し、PGAツアーが「多くの米国人の雇用よりも、利益を優先している」と非難した。