米ヨセミテ国立公園が拡大へ ほぼ70年ぶり規模

アッカーソン・メドーでは野生動物が生息している

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アッカーソン・メドーでは野生動物が生息している

米カリフォルニア州のヨセミテ国立公園の敷地が400エーカー(約1.6平方キロメートル)拡張されることが7日、明らかになった。拡張はほぼ70年ぶりの規模だという。

公園当局者によると、新たに加わる土地は、ヨセミテの西側境界線に接する沼地と丘陵地の「アッカーソン・メドー」で、絶滅が危惧される野生動物が生息している。土地は非営利組織のトラスト・フォー・パブリック・ランドが230万ドル(約2億3400万円)で取得していた。

カリフォルニア州中東部のシエラネバダ山脈にまたがるヨセミテ国立公園は、総面積約3000平方キロ。年間訪問者数は数百万人に上る。国立公園に指定されたのは1890年で、昨年は125周年を祝っている。

アッカーソン・メドーは、以前は木材の伐採や家畜の放牧に使われていた。公園当局者によると、北米最大のフクロウで絶滅が危惧されるカラフトフクロウなど、野生動物の生息地として保護される予定だという。

2006年以降土地を所有していたロビン・ウェインライトさんと妻のナンシーさんは、トラスト・フォー・パブリック・ランドに売却を決める前、開発業者からリゾート建設の話を持ちかけられていたという。

ロビンさんは、草原をクマが通り過ぎたり、野草が咲き乱れる春に原っぱの上をフクロウが飛ぶのをよく見たと話し、リゾートに滞在する金持ちしか見られないような光景にはしたくなかったと語った。

以前は木材伐採や家畜の放牧が行われていた

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以前は木材伐採や家畜の放牧が行われていた

「だれでも来られるようになるのは、自分にとってはとても素晴らしい。手に入るお金が多少減ってもその価値はある」とロビンさん。

ヨセミテ国立公園の広報担当、スコット・ゲディマン公園管理官は、敷地境界線の小規模な変更はこれまでもあったものの、アッカーソン・メドーのような規模の追加は1949年以来だと話した。

ゲディマン氏によると、土地の取得資金は、トラスト・フォー・パブリック・ランドが拠出した153万ドルのほか、ヨセミテ保護委員会と匿名の献金者の援助によって賄ったという。