ぎこちない一瞬……オバマ氏とドゥテルテ氏が壇上で並び 目と目が

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オバマ大統領(写真左)とドゥテルテ大統領(同右端)が目線を交わした(7日、ラオス・ビエンチャン)
オバマ米大統領とフィリピンのドゥテルテ大統領は7日、ラオス・ビエンチャンで開かれている東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の晩餐会の壇上で、ついに目線を交わした。ドゥテルテ氏がオバマ氏を「売春婦の息子」と呼んだことから、6日に予定されていた両社の首脳会談は、米国側の要請でキャンセルとなっていた。
フィリピン政府関係者は、両大統領がやっと顔を合わせたことについて「とても嬉しい」とコメント。米国政府は、両大統領が晩餐会前に用意された控室で「短く会談した」と説明した。
オバマ氏とドゥテルテ氏は晩餐会の会場に別々に入り、1時間20分続いた夕食会の間はやりとりしなかった。

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オバマ氏はブルネイのハサナル・ボルキア国王と歓談していた(7日)

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一方のドゥテルテ氏は、ロシアのメドベージェフ首相とインドネシアのウィドド大統領の間に座っていた
ドゥテルテ大統領に同行しているフィリピンのヤサイ外相は報道時に、「控室を出たのは2人が最後だった。どれくらい会っていたのかは分からない」、「とても嬉しい」と晩餐会の直後に話した。
ホワイトハウス関係者は、両大統領が夕食前に「短く会談」して「あいさつ」を交わしたと話した。
オバマ氏は当初、ドゥテルテ氏が遂行している強硬な麻薬取締、とくに密売人の殺害奨励について取り上げるつもりだと話していた。
これに対してドゥテルテ氏は、ラオスへ発つ前にマニラで、オバマ氏の発言について「敬意を示せ。ただ質問やコメントを言いたい放題するんじゃない。売春婦の息子め、その場で罵倒してやる」と発言した。
このため米国側は首脳会談をキャンセル。ドゥテルテ氏はその後、自分の発言は残念だったと態度を和らげていた。
ドゥテルテ氏が今年6月に就任して以来、フィリピンでは麻薬密売や利用が疑われる2400人が殺害されている。大統領は、逮捕に抵抗する麻薬密売人をその場で射殺するよう国民に呼びかけている。さらに、その強硬な麻薬取締方法を国連が国際法違反だと非難すると、国連脱退も辞さないと脅した。
ドゥテルテ大統領はこのほかにも、ケリー米国務長官を「狂ってる」と言い、ローマ法王フランシスコ1世も「売春婦の息子」と罵倒している。
ただし、フィリピン世論はドゥテルテ政権の麻薬取締政策を強く支持している。