パリ・ノートルダム大聖堂攻撃未遂 さらに3人を起訴

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Soldiers patrol around the Louvre Museum in Paris
パリ中心部のノートルダム大聖堂近くでガスボンベを積んだ自動車が見つかった事件で、フランスの検察は12日、さらに3人の容疑者を起訴した。
起訴されたのは、イネス・マダニ容疑者(19)、サラ・エルブエ容疑者(23)、アメル・サカウ容疑者(39)で、いずれも女性。
容疑内容は、ガスボンベを積んだ車の爆発計画と過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)への関与。検察はすでに同じ容疑で「オルネラ・G」とされた容疑者(29)を起訴している。
ガスボンベが積まれた車はナンバープレートが外され、ハザードランプが点滅している状態で、警察が緊急捜索を行った。
新たに起訴された3人は12日に裁判所に出廷し、再勾留が認められた。テロ計画に関与していた疑いで取り調べを受けている。
AFP通信によると、仏当局は容疑者らが、パリ一帯の鉄道駅のどこか、または警察を標的とした攻撃も計画していたとみている。
地元紙ル・パリジャンは捜査官の話として、容疑者らがシリアにいるIS関係者の指示を受けていたと報じた。
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ノートルダム大聖堂の前で警戒する兵士(先月15日、パリ)
3人はパリの南のエソンヌ県内で逮捕された。地元メディアによると、エルブエ容疑者は拘束時に警官1人をナイフで刺した。さらにマダニ容疑者は、別の警官に襲いかかった際に足を撃たれた。
警察は、マダニ容疑者のサイフの中にIS指導者のアブバクル・バグダディ容疑者への忠誠を誓う手書きの紙を見つけたという。
仏メディアはエルブエ容疑者がフランス人のイスラム聖戦(ジハード)主義者、ラロッシ・アバッラ容疑者やアデル・ケルミシュ容疑者と関係していたと報じた。アバッラ容疑者は今年6月、パリ郊外で警官とその妻を殺害した後、警察との銃撃戦で死亡。ケルミシュ容疑者は今年7月に仏北部ルーアン近郊の教会を襲い神父を殺害した2人の実行犯の1人で、同容疑者も警察に撃たれて死亡した。
フランスでは、ISに忠誠を誓ったジハード主義者による攻撃が相次いでいる。今年7月には南部ニースで、花火の見物客で混雑する遊歩道に男が大型トラックを運転して突入し、86人が殺害された。