【米大統領選2016】クリントン氏は健康で体力十分=医師

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娘チェルシーさんの自宅で休息した後、記者団の前に姿を見せたクリントン氏(11日、ニューヨーク)
米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏の選挙対策本部は14日、同氏の健康状態は良好で体力も十分だとする医師の診断を公表した。今月9日に肺炎の診断を受けていたことが明らかになっていたが、「回復が続いている」としている。
一方、共和党候補のドナルド・トランプ氏はテレビ番組に出演し、自らの健康診断書を公表した。
クリントン氏の側近らによると、同氏は15日に選挙運動を再開する予定。
クリントン、トランプ両氏は、米国史上最も高齢な大統領候補に数えられることから、より詳しい医療記録の公表を求める声が高まっていた。
現在68歳のクリントン氏は今週11日、ニューヨークで開かれた15年前の米同時多発テロ事件の追悼式を体調不良で途中退席した際、足元がふらつくなどしたため、大統領候補の健康状態に関心が高まっていた。
クリントン氏の選対本部は、医師による詳しい診察の結果は「正常」で、同氏の「精神状態は非常に良好」との判断だったと発表した。
主治医のリサ・バーダック医師は、クリントン氏が「抗生物質と休息によって順調に回復している」と述べた。

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テレビ番組に出演したトランプ氏
選対本部によると、クリントン氏は胸部の撮影によって、「軽い非感染性の細菌性肺炎」があることが確認されたという。
ニューヨーク市郊外のチャパクワにある自宅で静養中のクリントン氏は、抗生物質「レバクイン」を10日分処方されている。
バーダック氏は文書で、「合衆国大統領の職務を果たすのに、いまも十分健康で、体力がある」と述べた。
バーダック氏によると、クリントン氏は必要なワクチンの投与も受けており、肺炎予防のために「プレベナー」と「ニューモバックス」が使用されたという。ワクチンがいつ投与されたかについては、バーダック氏は明らかにしていない。
クリントン氏の血圧(最高血圧100/最低血圧70)と総コレステロール値(189)はすべて健康な範囲内にあるという。マンモグラムと胸の超音波検査の結果も正常だった。
クリントン氏は甲状腺とアレルギーの治療薬のほか、2012年に脳震とうを起こした際に血栓が見つかってから抗凝固薬の「クマジン」を飲んでいる。
血栓は右耳の後ろあたりの、脳と頭蓋骨の間の血管にあったという。血栓によって、当時国務長官だったクリントン氏は数日の入院と1カ月間の休養を余儀なくされた。
一方、トランプ氏は最近受けた健康診断の結果を今週発表すると表明していた。同氏は、テレビ番組「ドクター・オズ・ショー」に出演し、診断結果の概要が書かれた1枚の紙を司会者に手渡した。
トランプ氏は番組で、自分の身長は6フィート3インチ(約192センチ)で体重は236ポンド(約107キロ)だと語った。医学的には過体重となる。
テレビ番組は15日に放映される予定で、トランプ氏の選挙対策本部は診断結果をすぐに公表しないとしている。
トランプ氏は14日夜、オハイオ州キャントンで開かれた集会で、クリントン氏にはこのような集会を開くスタミナはないのではないかと語った。トランプ氏は、「ヒラリーがここに1時間立ち続けられると思いますか。できないと思うな、できないよ」と述べた。
トランプ氏はその後、クリントン氏が「ベッドに横たわって、回復しつつある」と語った。