スノーデン氏、米下院委報告書の批判に反論

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スノーデン氏は米国に帰国しても公正な裁判を受けられないのではないかと懸念している(写真は、恩赦運動が14日にニューヨークで公開したスノーデン氏のビデオメッセージ)
2013年に米政府による個人情報の収集に関する情報を暴露し、ロシアに亡命した元国家安全保障局(NSA)職員のエドワード・スノーデン氏は15日、米下院情報委員会が同日公表した同氏を批判する報告書に反論した。
下院報告書は、自らを内部告発者とするスノーデン氏の主張を否定。同氏が不満を抱えた職員で、暴露の結果は米国の敵を利しただけだと批判している。
報告書が公表された前日には、アムネスティー・インターナショナルと米国自由人権協会(ACLU)がスノーデン氏の恩赦を求める運動を開始し、オバマ米大統領に対し、任期が終了する来年1月までに恩赦を与えるよう訴えた。
ホワイトハウスは、大統領が恩赦を与える可能性はないと述べている。
作成に2年かかった議会報告書の公表は、映画監督オリバー・ストーン氏による新作『スノーデン』の公表と時期を同じくしている。
スノーデン氏はツイッターで報告書について、「事実の捻じ曲げ方があまりにみっともないので、あまりに深刻な信義則違反でさえなければ、笑えるのに」と述べた。
スノーデン氏は2013年に、2001年の米同時多発テロ事件後に始まった電話やインターネットの監視に関する機密情報をリークし、その名を知られるようになった。
今回36ページに及ぶ報告書の概要を公表した下院情報委員会は、スノーデン氏がNSAで同僚たちと対立し、自らの経歴についてもうそをついていたと述べた。
報告書はさらに、スノーデン氏がリークしたのは、軍に関係した機密情報で、国民のプライバシーに関するものとは全く関係がなく、「海外の米軍を守り(中略)テロリストや国家による攻撃からの必要不可欠な防御」に関するものだったと主張した。
一方、アムネスティーは、人権侵害を暴露した人物が罪に問われるべきでないと述べた。アムネスティーは「通信の無差別かつ大規模な監視」を人権侵害にあたるとしている。
スノーデン氏に法律アドバイスを提供するACLUは、同氏を「素晴らしい米国人で、愛国的な行為は恩赦に値する」と述べた。