ニューヨークとニュージャージー連続爆発、容疑者訴追

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ニューヨーク市内の警備は強化されている
米ニューヨークとニュージャージー両州で17日から19日にかけて相次いだ爆発事件について、米政府は20日、アフマド・カーン・ラハミ容疑者(28)を訴追した。罪状には、大量破壊兵器の使用、器物破損、破壊装置の使用などが含まれる。ニューヨーク市マンハッタン・チェルシー地区の爆発による負傷者は、31人に上る。
ニュージャージー州で警察と銃撃戦の末に逮捕された容疑者は、すでにニュージャージー州検察から、警官の殺人未遂罪で訴追されている。銃撃戦で容疑者も負傷したため、現在入院中。
米連邦捜査局(FBI)がニューヨーク連邦地裁に提出した告訴状によると、ラハミ容疑者は日記に、殉教したいなどと書いていた。
容疑者は「お前たち(米政府)は、アフガニスタン、イラク、シャム(シリア)、パレスチナを問わず、聖戦士の(不明)殺りくを繰り返している」などと日記に書いていたという。
ほかには、過激派組織アルカイダのオサマ・ビン・ラディン容疑者を始め、2011年にドローン空爆で死亡した米国出身のムスリム(イスラム教徒)宗教者アンワル・アル・アウラキ師や、2009年にテキサス州の陸軍基地で13人を殺害した軍医のニダル・ハサン少佐(当時)などを、日記でさかんに褒め称えているという。
FBIは訴状で、ラハミ容疑者がチェルシー地区に爆発装置を2つ仕掛けたものの、ひとつは不発に終わったと指摘している。17日の日中にはニュージャージー州東岸シーサイド・パークで別のパイプ爆弾が爆発したが、けが人はなかった。
さらに容疑者は、ニュージャージー州エリザベスの鉄道駅近くのゴミ箱に、爆発物を放置した疑い。
告訴状によると、容疑者は数カ月前から爆弾攻撃を準備。オークションサイト「eBay」で爆弾の材料を購入していたほか、ゴミ容器で「可燃性物質」に点火する様子を親類に撮影されている。

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アフマド・カーン・ラハミ容疑者
26日夜(日本時間27日午前)に予定される1回目の大統領候補テレビ討論会を前に、一連の爆発事件によって安全保障問題があらためて選挙の主要課題として浮上してきた。
共和党候補のドナルド・トランプ氏は、米国籍に帰化しているラハミ容疑者がアフガニスタン生まれだという点をとらえて、移民受け入れ審査を強化すべきという持論を強調している。
一方で民主党候補のヒラリー・クリントン氏は、トランプ氏の言動はテロリストたちの思い通りで、かえってテロ攻撃をしやすくしていると批判している。