コロンビア政府と左翼ゲリラが和平文書に正式署名

画像提供, AFP
署名式で握手するサントス大統領(写真前列左)とFARCのロンドニョFARC最高司令官(26日)
南米コロンビアで政府と左翼ゲリラ「コロンビア革命軍」(FARC)が26日、和平の合意文書に正式に署名し、52年に及ぶ戦闘に終止符を打った。
同国北部のカルタヘナで行われた署名式では、出席者は白い服装で平和を表した。愛称「ティモチェンコ」の「ティモレオン・ヒメネス」ことロドリゴ・ロンドニョFARC最高司令官は、「対立のすべての犠牲者」に謝罪すると述べ、会場からは歓声と拍手が沸き起こった。
冷戦時代から続く主な対立で最後となったコロンビア内戦では26万人が死亡し、600万人以上が国内で住む場所を失った。
サントス大統領は、「世界から戦争がもうひとつ減ったのを、コロンビア、そして世界全体が祝っている。我々の国を平和な国にするという、ずっと夢見てきたことのために、我々はどんな目標でも達成し、どんな障害でも乗り越える」と述べた。
共産党の武装組織として1964年に発足したFARCを率いてきたロンドニョ氏は、FARCが武力闘争を捨て平和的な政治プロセスに参加すると述べた。同氏は、「和解と平和建設の新しい時代を始めるため、我々は生まれ変わる」とし、「すべての人が心の武装解除に向け準備をしよう」と呼びかけた。
ロンドニョ氏とサントス大統領は、銃弾から作られたペンを使って合意文書に署名した。
今回の和平合意は、キューバの首都ハバナで4年にわたって行われた政府とFARCの交渉によって実現した。合意内容が法制化されるためには、来月2日にコロンビアで実施される国民投票で承認される必要がある。
画像提供, EPA
内戦の犠牲者の遺族も式典に参加した
世論調査では国民の過半数が和平合意に賛成していることが示されている。ただし、アルバロ・ウリベ前大統領などは合意内容に反対している。
反政府ゲリラのメンバーが人質の拉致や殺人への責任を問われずに、議会に議席を得ることへの反発も、一部に存在する。
画像提供, Reuters
コロンビアの首都ボゴタで(26日)
画像提供, AP
和平合意への抗議デモも開かれた(26日、コロンビア・カルタヘナ)