OPEC、減産で合意 原油価格上昇

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産油国のカルテルである石油輸出国機構(OPEC)は28日、減産で暫定合意した。減産が決まったのは8年ぶりで、合意を受けて原油価格は急上昇した。

OPEC加盟国は過剰供給の懸念を受けて、アルジェリアで臨時総会を開いていた。イランのザンギャネ石油相は、「きょうOPECは異例の決断をした」と述べた。

合意を受け、 国際指標の北海ブレント原油先物は1バレル49ドル近くまで、約6%上昇した。

OPEC加盟国の石油相らによると、合意内容の詳細は11月にウィーンの本部で開かれる総会で最終的に合意される予定。

加盟国の原油生産は日量約70万バレル減少する見通し。減産幅は各国で異なる。イランは増産が許されている。

中東地域の主要国としてライバル関係にあるサウジアラビアとイランの意見相違がこれまで合意の妨げとなっていた。

「ためらいなかった」

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一時1バレル110ドルまで上昇した原油価格が、過剰供給と需要減を背景に過去2年にわたって大幅に下落したことを受けて、より小規模なOPEC加盟国の多くは減産を主張してきた。

ナイジェリアのカチク石油資源相は、「とても前向きな合意」だと歓迎。アルジェリアのブテルファ・エネルギー相は、「決定は全会一致だった。ためらいはなかった」と述べた。

現在議長国を務めるカタールのサダ・エネルギー相は、合意によってOPEC全体の生産が日量3250~3300万バレルに制限されると述べた。

現在の生産量は3320万バレルと推計されている。しかし、イラクは28日にOPECによる加盟国の生産量の集計方法に疑義を表明した。

「疑わしい」

市場関係者の一部は合意に懐疑的だ。合意について判断を下すには個別国の減産幅など詳細を知る必要があると指摘している。

ストラタス・アドバイザーズのエネルギー市場ディレクター、ジェフ・クイグリー氏は、合意を喜ぶには「暫定的すぎる」と語った。「詳細に問題が潜んでいるかもしれない。11月に始まると言っているのがとても疑わしい。どの国がどの程度の生産になるのかまだ分からない」。