15歳未満女子の結婚 7秒ごとに1件=人権団体

インドで低年齢結婚が多いと人権団体

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インドで低年齢結婚が多いと人権団体

人権団体の「セーブ・ザ・チルドレン」は10日、15歳未満の女の子が世界で7秒ごとに1人結婚していると報告した。

報告書は、アフガニスタンやイエメン、インド、ソマリアなどでわずか10歳の少女がずっと年上の男性との結婚を強要される例があると指摘。低年齢での結婚は、人生のあらゆる側面で少女らに不利益をもたらす可能性があると批判した。

低年齢結婚の主な要因には、戦乱や貧困、人道上の危機状況があるという。

セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナルを率いるヘレ・トーニング=シュミット氏は、「低年齢結婚は、少女たちが学び、成長し、子どもらしくいられる基本的な権利を奪い、不利益の悪循環のきっかけとなる」と述べた。

「あまりに早い時期に結婚する少女たちは学校に行けないことが多く、家庭内暴力や虐待、レイプの犠牲になる可能性が高まる。妊娠したり、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)を含むSTI(性感染症)の危険にもさらされる」

報告書「女の子を最後の1人まで」は、教育や低年齢結婚、10代での妊娠、妊産婦の死亡や女性議員の数に関するデータを基に、少女として生きるのが最も困難な国を指数化している。それによると、チャド、ニジェール、中央アフリカ、マリ、ソマリアが最も低い評価を受けた。

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報告書は難民キャンプの少女たちが幼いうちに結婚させられる危険が高いと指摘した(写真は2014年12月にレバノンの難民キャンプで撮影)

報告書はまた、多くの難民家族が娘を貧困や性的搾取から守るために結婚させていると指摘した。

報告書は、レバノンに滞在するシリア難民少女「サハル」(仮名)を例として挙げている。「サハル」さんは13歳のときに20歳の男性と結婚させられた。現在14歳のサハルさんは妊娠2カ月だ。

「結婚式の日はすばらしい日になると想像していました。でも違った。みじめなだけ。とても悲しかった」。「子どもを授かったのはとても幸せなことです。だけど私は子どもで、子どもが子どもを育てるんです」――というサハルさんの言葉が報告書に引用されている。

報告書はまた、シエラレオネで起きたエボラ熱流行などの人道的危機も、少女に被害をもたらしていると指摘。シエラレオネではエボラ熱による学校閉校が、10代少女約1万4000人の妊娠につながったとしている。

国連児童基金(ユニセフ)の推計によると、低年齢で結婚させられた少女の数は現在の7億人から2030年には9億5000万人に増えるとみられている。

セーブ・ザ・チルドレンによる今回の報告書は、11日の「国際ガールズ・デー」に合わせて発表された。