米軍、イエメン反政府勢力の拠点を攻撃

米駆逐艦「メイソン」はイエメン沖で2度にわたり攻撃を受けた

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米駆逐艦「メイソン」はイエメン沖で2度にわたり攻撃を受けた

米軍は12日、中東イエメンの反政府勢力でイランの後押しを受ける「フーシ派」の支配地域にあるレーダー施設を攻撃した。紅海のイエメン沖では、米艦船が繰り返しミサイル攻撃を受けていた。

米国防総省によると、今回の攻撃に関する初期段階の評価では、ミサイル攻撃に関与した3つのレーダー施設が破壊された。オバマ大統領の承認の下、駆逐艦「ニッツェ」から巡航ミサイル「トマホーク」がフーシ派の拠点に向けて発射されたという。

国防総省のピーター・クック広報官は、「限定的な防衛目的の攻撃は、我が国の職員や艦船、この重要な海路の通過の自由を守るために実施された」と述べ、「今後さらに我々の艦船や商業的通行を脅かすことがあれば、米国は適切に対処する」と警告した。

今回の攻撃の数時間前には、イエメン沖を航行していたミサイル駆逐艦「メイソン」に向けて少なくとも1発のミサイルが発射されていた。国防総省によると、メイソンに損傷はなかった。

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イエメンの首都サヌアの位置

9日には、反政府勢力が掌握する地域からメイソンに向けて2発のミサイルが発射されたが、2発とも手前で海上に落ちたという。

一方、フーシ派の広報担当者はイエメンのサバ通信に対し、軍艦は標的にしていないと述べた。

米国の支援を受けたサウジアラビア主導の連合軍が、フーシ派に対し空爆を行っている。

しかし、イエメンの首都サヌアで今月、葬儀会場が空爆され少なくとも140人が死亡したことを受けて、米国によるサウジ連合軍への支援に対して批判の声が高まっている。

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サヌアの葬儀会場への空爆は国際社会からの非難を集めた(10日)

米政府は、「米国の原則や価値観、利益により合致したものにする」ため、サウジ連合軍への支援を再検討すると述べた。

サウジ政府は、同国軍が空爆したと公に認めていないが、事実関係の調査を開始している。サウジ政府はまた、空爆によって負傷したイエメン人が国外での治療を必要としている場合には支援すると表明した。

国連によると、国際的に承認されているイエメン政府とフーシ派と、それぞれの同盟勢力の間の武力対立に、サウジ連合軍が介入し始めた2015年3月以来、少なくとも市民4125人が死亡し、7207人が負傷している。