ボコ・ハラムから解放の少女21人、家族と再会

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首都アブジャの式典で家族と再会した少女
アフリカのナイジェリア北東部を拠点とする過激派組織「ボコ・ハラム」に拉致された女子生徒276人のうち、解放された21人が16日、首都アブジャで家族と再会した。どのような交渉が行われたかは明らかにされていないが、政府関係者は残る少女たちの解放に向けて交渉していると話した。
13日に解放された少女たちは、アブジャで開かれたキリスト教の儀式で家族と再会した。少女のひとりは、食べ物がない状態が40日間続いたと話した。
「林の中にいたとき、飛行機が私の近くに爆弾を落としたけれども、けがはしなかった。1カ月と10日間、食べるものがなかったけれど、死ななかった。神様に感謝します」と少女は話した。
別の少女は「この日が来るとは思ってもみなかったけれど、神様に助けてもらって、奴隷状態から逃れられた」と話した。
拉致された女子生徒の多くはキリスト教徒だったが、拘束されている間にイスラム教に強制的に改宗させられていた。
娘と再会した親のひとりは「神様に感謝している。娘にまた会えるとは思っていなかったのに、今ここにいる。(中略) まだ向こうにいる子たちは、神様が両親のもとに連れ戻してくれますように」と話した。
2014年4月に拉致された女子生徒のうち、まだ197人が行方不明。
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ボコ・ハラムは拉致した少女たちをプロパガンダ・ビデオに登場させていた
ナイジェリア政府は、女子生徒たちの釈放と交換に、捕虜にしていたボコ・ハラム戦闘員たちを釈放したという報道については、否定している。しかし治安当局筋はBBCに対して、司令官4人を釈放したと話した。
加えてAP通信は、ナイジェリア政府の代理でスイス政府が数百万ドル相当の「高額な身代金」を支払ったと伝えた。
ナイジェリアのモハメド情報相は16日、今回の21人解放は残る全員解放に向けた「最初の一歩」で、「すでに第2段階に入っており、話し合いを行っている」と報道陣に話した。
「とはいえもちろん、お分かりのように非常にデリケートな交渉だ。交渉全体の秘密保持についていくつか相手に約束をしており、約束は守るつもりだ」
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ナイジェリアのオシンバジョ副大統領(写真右)が解放された少女たちを歓迎した
拉致された少女の一部は、さらわれた直後に、トラックから飛び降りて近くの茂みに隠れるなどして自力で脱出。合計219人が連れ去られた。中には拘束生活のなかで死亡した少女もいるとみられる。
さらに、ボコ・ハラム戦闘員と結婚させられ2年以上たつ少女の中には、帰宅を望まない少女も一部いると伝えられている。
ボコ・ハラム拉致の少女たちが家族と再会