【米大統領選2016】オバマ氏、トランプ氏に「泣き言は止めるべき」と

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イタリアのレンツィ首相との共同記者会見でトランプ氏に言及したオバマ米大統領(18日)
バラク・オバマ米大統領は18日、大統領選が「仕組まれている」と主張する共和党候補のドナルド・トランプ氏に対して、「泣き言は止めるべき」と述べた。イタリアのレンツィ首相との共同記者会見で、大統領選の結果集計で不正が行われるなど、ありえないと強調した。
ホワイトハウスで会見した大統領は、「トランプ氏にはもう驚かなくなっているけれども」と前置きした上で、投票前に早くも選挙手続きや選挙結果の真偽を問いただすなど、現代の大統領候補として「前例がない」と批判。大統領選の結果で不正が行われるなど、「事実の裏付けが何もない」「支持政党やイデオロギーを問わずこの問題を真面目に調べたあらゆる専門家は、大規模な投票不正の事例はなかったと言う」と指摘。
大統領はさらに、「試合終了にもなっていないうちから泣き言を言い始めるなんて、大統領に求める指導力や粘り強さとは程遠い」、「物事が自分にとって悪い方向に向かうたびに、他人のせいにし始めるなら、この仕事をやる資格がないってことだ」と批判した。
「米国の選挙結果を仕組むことができるなどと主張する、真面目な人間はいない」と大統領は続けた上で、「トランプ氏は泣き言を止めて、票を獲得するための主張を展開した方がいい」と釘を刺した。
オバマ氏はさらに、大統領候補がロシア大統領にこれほど「おべっか」を使うのも「前例がない」と述べた。
オバマ米大統領、トランプ氏に「泣き言は止めよう」
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トランプ氏は17日、「もちろん投票日の当日と前に、大規模な不正投票が起きてるに決まってる。なのにどうして共和党幹部は否定するんだ? なんてお人よしだ!」とツイートした。
「トランプ氏がプーチン氏におべっかを使い続け、自分の政策や政治姿勢のかなりの部分でプーチン氏の模倣をしているように見えるその度合いは、米国政治で前例がない」、「それは民主党の考えと食い違っているだけでなく、つい数カ月前まで共和党関係者全員が考えていたこととも異なる。中には、トランプ氏を推薦している人もいる」、「共和党はこれまで極めて反ロシアで、僕がロシアと外交的に関わるだけでこちらを攻撃していたのに」とオバマ氏は指摘した。
この前日にトランプ氏はラジオ番組で、「もし11月8日に勝ったら、政権発足前にプーチンとロシアで会うこともあり得る」と話していた。
トランプ氏と民主党候補のヒラリー・クリントン氏は19日夜(日本時間20日午前)、ラスベガスのネバダ大学で最後の討論会に臨む。
9月末の最初の討論会以降、トランプ氏はわいせつ発言ビデオが浮上し、複数の女性が過去に暴行されたと名乗り出るなどしており、支持率が下がり続けている。
モンマス大学調査によると、クリントン氏の支持率は現在7ポイント、トランプ氏を上回っている。
<クリントン氏とトランプ氏の最新支持率。BBCが示す両候補の支持率は直近5種類の全米調査の中央値>