女性で初めてエベレスト登頂 登山家・田部井さん死去

画像提供, Getty Images
田部井さんはエベレスト登頂に成功する12日前に雪崩に巻き込まれた(写真は登頂時のもようを再現して見せた当時の田部井さん)
女性で初めて世界最高峰エベレストの登頂に成功した登山家、田部井淳子さんが20日に腹膜がんのため埼玉県内の病院で死去した。77歳だった。遺族が明らかにした。
田部井さんは1975年5月に35歳でエベレスト登頂に成功。1992年までに7大陸最高峰を制覇した。
田部井さんは、今年7月に東日本大震災の被災者の高校生らと富士山に登山。これが最後の登山となった。
田部井さんは2011年の大震災で大きな被害が生じた福島県の出身。
2012年、英字紙ジャパン・タイムズのインタビューで田部井さんは、女性として初めてエベレストに登頂した当時について、「1970年代の日本では、男が外に働きに出て、女は家にいるのが当たり前だった。働いていた女性もお茶を出すのが仕事だった。だから昇進なんて考えられなかった」と振り返り、登頂成功が誇らしかったと語った。
エベレストの頂上に到達する12日前、田部井さんは雪崩に巻き込まれた。ガイドたちに助け出された田部井さんは登山を続け、登頂に成功した。
画像提供, Getty Images
田部井さん

ビデオ, エベレスト山頂目前、命救った英男性「迷いなかった」
世界最高峰エベレストの登頂に成功するまであと500メートルと迫っていた時、遭難して意識を失った女性を前方に見つけた元軍人のレスリー・ビンズさんは、迷わず女性の救助のため登山をあきらめた。