イラク軍がモスルに到達 ISからの奪還目指す

モスル市内を臨むイラク軍(11月1日)
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モスル市内を臨むイラク軍(11月1日)

イラク軍は1日、過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)から奪還を目指す北部の要衝モスルに入った。特殊部隊と行動を共にするBBC特派員が伝えた。

イアン・パネル特派員がツイッターで明らかにしたところによると、イラク軍のテロ対策部隊(CTS)はモスル近郊でIS戦闘員たちの激しい反撃を受けている。パネル記者によると、ISは手投げ弾や小火器で反撃しているという。

政府軍はモスルの南側から進攻している。

これに先立ちイラクのアバディ首相は近くの空軍基地から戦闘服姿で国営テレビに出演し、「全方面からダーエシュ(ISの別称)に迫り、神の意志に従いヘビの頭を切り落とす。脱出はできない。逃げ道もない」、「ほかに選ぶ道はない。投降するか、死を選ぶかだ」と強調した。

モスル奪還を目指す作戦は10月17日に開始された。

モスル奪還作戦には、イラク治安部隊約5万人、クルド人自治政府の治安部隊ペシュメルガ、イスラム教スンニ派の部族兵士、シーア派の民兵たちが参加している。

モスルはイラク国内に残るIS最後の主要都市拠点。

モスルは、2014年7月にISのバグダディ指導者が、イラクとシリアのIS支配地域にカリフ制イスラム国家を樹立すると宣言した場所。

それから2年以上を経て、イラク政府は10月17日に奪還作戦を開始。作戦前には市内に最大150万人の市民と、3000~5000人のIS戦闘員が残っているとみられていた。

国連によると、これまでに1万7900人が市内を脱出。最悪のケースではさらに最大70万人が避難するとみられている。