韓国・朴大統領の友人女性、緊急逮捕

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ソウル中央地方検察庁に出頭したチェ・スンシル氏
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の立場を脅かす政治スキャンダルの中心にいる女性が10月31日、緊急逮捕された。
朴大統領の長年の友人、崔順実(チェ・スンシル)容疑者は、国政に介入し、大統領への影響力をひけらかすことで利益を得ていたとされる。
31日に報道陣に囲まれて「死ぬほどの罪を犯しました」と謝罪した崔容疑者は、検察当局の事情聴取を受けた後、深夜に緊急逮捕された。当局は48時間以内に正式逮捕するか判断する。
聯合通信によると、検察は崔容疑者による証拠隠滅を懸念し、拘束に踏み切った。
検察関係者は聯合通信に対して、「過去にも海外逃亡したし、韓国内に決まった住所がないので、逃亡の恐れがある」と述べ、容疑者は「非常に精神的に不安定な状態だ」と話した。
11月1日朝には、ソウル市の大検察庁(最高検)の敷地内に、45歳男性が運転する建設用重機が突入した。建物の一部が壊れ、警備員が負傷した。男性は、「崔順実が死ねるよう手伝ってやりたかった」などと話していたという。

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45歳男性が重機でソウル市の大検察庁に突入した
朴大統領は10月25日の記者会見で、大統領府の「一部の文書」を崔容疑者に渡していたことや、政治演説の原稿に崔容疑者が手を加えていたことを認め、謝罪している。
大統領は「崔は前回の大統領選で、私の演説の表現や広報活動で助言してくれたほか、就任後もしばらく引き続き助けてくれていた」と説明した上で、報道陣のカメラの前で「深くお詫びします」と頭を下げていた。
しかし国民の反発は収まらず29日には約8000人がソウルで抗議デモに参加。朴大統領の退陣を求める声もあった。
崔順実容疑者の父親、崔太敏(チェ・テミン氏)は、カルト的宗教団体の代表で、1994年に死去するまで朴氏の助言者だった。