【米大統領選2016】支持率タイに 両候補は激戦州に

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11月8日の米大統領選を前に3日から4日にかけて、両候補の支持率がほぼ同率で並ぶなか、両候補はそれぞれ激戦州を回り、相手が大統領にふさわしくないと有権者に訴えかけている。BBCが4日未明に直近5種類の全米世論調査の中央値をとったところでは、共和党候補ドナルド・トランプ氏と民主党候補ヒラリー・クリントン氏はそれぞれ支持率45%で互角。一方で、クリントン氏が必要な選挙人の数を獲得する確率は9割だという調査結果もある。
10月後半に一時10ポイント前後の差をつけてリードしていたクリントン氏は、連邦捜査局(FBI)によるメール問題捜査再開の発表を受けて、そのリードのほとんどを失った。3日夜には激戦州ノースカロライナ州の集会で、トランプ氏の人間性を引き続き攻撃。「この選挙戦で彼は一貫して、最も憎むべき支持者たちに犬笛を提供してきたようなもの」「主要政党の候補がこんな真似をしたことは、いまだかつてない」と非難した。
クリントン氏はさらに、「もしドナルド・トランプが当選したら、何をすべきかまるで分かっていない、そしてきわめて危険なアイデアだらけの最高司令官になる」と訴えた。
一方で、トランプ氏は各種世論調査で、フロリダ州やノースカロライナ州で支持率を回復。勢いに乗るトランプ氏は同日、大統領選の結果をたびたび左右してきたフロリダ州で、「クリントン家の連中は実に相変わらずだ。(ビル・クリントン元大統領の)弾劾裁判や色々な問題を覚えてるでしょう。この国にああいう騒ぎはいらないんですよ、皆さん。すぐに仕事を始められる人間が必要だ」と述べた。
大統領になるには、選挙人270人を獲得する必要がある。2日に発表されたロイター・イプソス全国調査によると、クリントンが必要な270人を獲得する確率は89%で、先週の95%から下がった。

48%
Hillary Clinton

44%
Donald Trump
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<クリントン氏とトランプ氏の最新支持率。BBCが示す両候補の支持率は直近5種類の全米調査の中央値>
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ノースカロライナ州の集会で歌手ファレル・ウィリアムズさんと、クリントン氏のかつてのライバル、バーニー・サンダース上院議員がクリントン氏支持を呼びかけた(3日)
オバマ米大統領は3日、フロリダ州マイアミの大学で開かれた集会で、学生たちに「これは笑い事じゃない、(リアリティ番組の)『サバイバー』や『バチェロレット』でない。これは本当のことで大事なんだ」と投票を呼び掛けた。
オバマ大統領は様々な機会で、若者やアフリカ系米国人に投票を呼びかけている。特にアフリカ系には、自分の業績を帳消しにするような結果にはしないでほしいと訴えている。
期日前投票の結果からは、アフリカ系有権者の投票率はオバマ氏が再選された2012年を下回るかもしれないと言われている。
一方のトランプ陣営では、めったに集会で演説しないメラニア夫人が、激戦州ペンシルベニア州の集会で演説。移民として、母親としての経験を語り、自分の夫は「米国を公平にする」と述べた。
7月の共和党全国党大会以来、初めての演説で、メラニア夫人は自分がファーストレディになったら、ネット上のいじめや暴力との戦いを主導し、「あまりに意地悪であまりに激しい」ものになったネットの風潮に取り組むと約束した。
夫のトランプ氏自身がツイッターで多くの人を罵倒してきたことについては、言及しなかった。
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ファーストレディとしてネットいじめに取り組むと約束したメラニア夫人