韓国・朴大統領「心が痛む」 友人女性のスキャンダルで

友人の崔順実氏を信用しすぎたと謝罪する朴大統領(4日)

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友人の崔順実氏を信用しすぎたと謝罪する朴大統領(4日)

韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は4日、政権の存続を揺るがしている政治スキャンダルについて「心が痛む」と謝罪した。親友の崔順実(チェ・スンシル)容疑者が政府の機密文書を入手していた問題の責任は自分にあるとして、検察の捜査を受け入れる用意があると述べた。

崔容疑者は朴大統領と親しいことを利用し、自分の非営利団体への企業献金を募っていた疑いがもたれている。証拠隠滅の恐れなどがあるとして、10月31日に緊急逮捕された。3日には、ソウル中央地裁が職権乱用罪などで逮捕状を発付した。また3日には、検察が朴氏の最側近の前大統領府付属秘書官のチョン・ホソン容疑者を公務上秘密漏洩などの疑いで逮捕した。

大統領は4日、テレビ中継された謝罪会見で、「個人的な関係を信じすぎて、きちんと確認できなかった」と認め、「悲しい気持ちでいっぱいで、夜眠ることも大変でした。何をしても国民の気持ちを修復できないだろうと思うと、恥ずかしい気持ちでいっぱいになり、自分はこんなことのために大統領になったのだろうかと自分を責めています」と述べた。

大統領はさらに、「誰だろうと、捜査で責任が明らかになればしかるべき責任を取るべき」と認め、「必要ならば私も検察の捜査に誠実に臨む決意で、特別検察による捜査も受け入れる」と表明した。

その一方で大統領は、カルト的宗教に影響されたり、大統領府で巫女を使った祭事をしたなどということはないと明確に否定した。

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10月31日にソウル中央地方検察庁に出頭した崔順実氏

朴大統領の支持率は、わずか5%にまで急落している。2日には内閣を改造し、新しい首相と経済副首相を指名したが、辞任や弾劾を求める声は高まっている。

大統領は、演説原稿の作成に崔容疑者の協力を受けていたと認めている。民間人の崔容疑者が、政策策定に深く関わっていたという報道もある。

崔容疑者は、新興宗教団体「大韓救国宣教会」の創設者、崔太敏(チェ・テミン氏)の娘。崔太敏氏が当時の朴正熙大統領(現大統領の父)に信頼されていたことから、娘たちは友人になった。

朴正熙大統領を1979年に暗殺した側近は、大統領が崔太敏氏の言いなりになっていると考えていたという。崔太敏氏はその後も1994年に死去するまで、朴槿恵氏に助言を与え続けた。