【米大統領選2016】選挙戦最終日 両候補が激戦州で支持訴え

トランプ氏とクリントン氏

画像提供, AFP/Reuters

米大統領選の投開票日が翌日に迫った7日、民主党候補ヒラリー・クリントン氏と共和党候補ドナルド・トランプ氏は、勝敗のカギを握る激戦州を行脚し支持を訴えた。

両陣営は激戦となっているノースカロライナ、ペンシルベニア、ミシガンの各州で支持者集会を開いた。

クリントン氏は、有権者が「希望があり、受け入れる大きな心を持ったアメリカ」を支持するよう訴えた。一方のトランプ氏は支持者たちに、「腐敗した制度を負かす、ものすごい機会」があると語った。

最新の世論調査ではクリントン氏の支持率はトランプ氏を4ポイント差で上回っている。

期日前投票では、少なくとも4490万人が投票を済ませており、過去最高水準。

ヒスパニック(中南米)系有権者の投票率の上昇が示されており、クリントン氏には有利に働くとみられる。

熾烈(しれつ)を極めた選挙戦では、両候補によるお互いを貶めるような発言や、スキャンダルや問題が相次いだ。

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ペンシルベニア州フィラデルフィアで7日に開かれたクリントン氏の支持者集会では、多くの著名人が登壇。オバマ大統領夫妻のほか、ブルース・スプリングスティーンさんやジョン・ボンジョビさんがクリントン氏への支持を訴えた。さらに、「これは大事なことなので広めないと。相手の支持者たちを憎まないように」と呼びかけた。

クリントン氏は、7日真夜中近くにノースカロライナ州ローリーで開かれる集会「投票に行こう」で選挙運動を締めくくった。集会にはレディー・ガガが登場し、クリントン氏は国民のために何十年かけて闘い続けてきたと称賛し、「私たちや子供たちの未来のため」にクリントン氏を支持するよう呼びかけた。

クリントン氏はラジオ番組のインタビューで、もし勝利した際には、トランプ氏に電話を掛けると話し、国をまとめる上でトランプ氏が「建設的な役割」を果たすのを期待すると語った。

トランプ氏は同じペンシルベニア州のスクラントンで支援者集会を開き、自分の陣営にこそ勢いがあると主張した。

トランプ氏は最後の選挙運動の場所としてミシガン州グランドラピッズを予定している。

ペンシルベニアに先立つフロリダ州の支援者集会では、自分は「政治家ではない」と語り、自分が特別に便宜を図る「特殊利益」が唯一あるとすれば、それは支持者たちだと述べた。

トランプ氏は、クリントン氏の国務長官時代の私用メールサーバー問題に関する米連邦捜査局(FBI)の捜査に触れ、「これほど腐敗した人物が大統領を目指したのは初めてだ」と語った。

6日にはコーミーFBI長官が、FBIが新たに調べていたメールに違法性はなく訴追に値しないと、連邦下院に通達。クリントン陣営にとっては追い風となった。

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<クリントン氏とトランプ氏の最新支持率。BBCが示す両候補の支持率は直近5種類の全米調査の中央値>