【米大統領選2016】トランプ氏が勝利 クリントン氏が敗北認める

勝利宣言するトランプ氏(9日、ニューヨーク)

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勝利宣言するトランプ氏(9日、ニューヨーク)

8日投開票された米大統領選で、共和党候補のドナルド・トランプ氏が次期大統領に当選する見通しとなった。民主党候補のヒラリー・クリントン氏が敗北を認めた。

トランプ氏は9日未明、ニューヨーク市内の会場に集まった支持者を前に、クリントン氏から敗北を認める電話を受け取ったと明らかにし、「今はアメリカが分裂の傷の手当てをする時だ。国民が団結しひとつになる時だ」と述べた。

トランプ氏は、「ヒラリーは長い期間、とても長く、とても熱心に働いてきた。我々には、彼女の国への貢献に感謝する大きな義務がある」と述べた。

現在70歳のトランプ氏は不動産で財をなし、テレビのリアリティー番組で人気を集めたが、政治の世界では新参者で、昨年6月に出馬を表明した際には、同氏への嘲笑もあった。トランプ氏は、勝利への道のりは「大変だった」と語った。

米国史上初の女性大統領を目指していたクリントン氏は現在69歳。8日夜に勝利宣言するはずだったニューヨーク中心部のマンハッタンの会場に姿を見せることはなかった。

共和党は同時に行われた上下院選でも、議会の多数派を握った。

両氏が獲得した選挙人の数は、米東部時間9日午前3時(日本時間午後5時)過ぎ時点で、トランプ氏が275人、クリントン氏が218人となり、トランプ氏は過半数の270人を超えた。

トランプ氏は大票田のフロリダ州をはじめ、オハイオ、アイオワ、ノースカロライナなどの激戦州を相次いで押さえた。一方、クリントン氏はバージニア州やネバダ州を制した。

クリントン氏は大方の予想に反して苦戦。同氏の勝利が確実とされたニューハンプシャー、ミシガン、ウィスコンシン各州でも大接戦となっている。

クリントン氏勝利の見通しが弱まるにつれ、金融市場には動揺が広がった。ドルとメキシコのペソは急落、ダウ平均先物は800ポイント下げた。

上院選では、ペンシルベニア州で、共和党のパトリック・トゥーミー上院議員が民主党のケイティ・マクギンティー候補を下し再選されたことで、共和党が多数派を維持することになった。

100議席のうち34議席が改選対象となった上院ではこのほか、予備選で共和党候補の指名をトランプ氏と争ったマーコ・ルビオ上院議員が再選を果たした。

また、アリゾナ州では、2008年の大統領選で共和党候補だったジョン・マケイン上院議員が再選された。マケイン議員は、トランプ氏のわいせつ発言ビデオが明らかになった後、トランプ氏を支持しないと表明していた。

さらに、全435議席が改選対象の下院選でも、共和党が多数を維持する見通し。下院では2010年以来、共和党が多数派となっている。